耳掃除好きに多い…鼓膜破れ事故が認知症リスクを上げる

公開日: 更新日:

 こう言うのは、北野病院難聴・鼓膜再生センター長の金丸眞一医師。手術は侵襲性の高さに加え、「入院や頻回の通院」「正常鼓膜ができないこともあり、聴力がさほど回復しないこともある」「耳を触った時の感覚がなくなったり、味覚の神経が損傷されるなど後遺症が起こる可能性がある」などの問題点もある。

 鼓膜に穴が開いた状態を「鼓膜穿孔」というが、手術せずに放置すると難聴が続く。加齢とともに難聴は進行する。

「鼓膜穿孔は聴力の低下だけではなく、聞こえの明瞭度を低下させます。補聴器をつけても、音は大きくなるものの音が割れるので、聞き取りはさほど向上しません」(金丸医師=以下同)

 実は近年、難聴は社会活動の減少やコミュニケーション障害につながり、脳萎縮などを招いて認知症につながりやすくするとして、その対策が喫緊の課題とされている。世界的な医学雑誌「ランセット」に2017年、興味深い論文が掲載された。

 それは、認知症の65%は遺伝的要因などで医師などの介入が不可能だが、35%は介入可能で、その35%の中には、高血圧肥満、喫煙、糖尿病、社会的孤立などがあり、最も多くを占めるのが難聴だというもの。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ドジャース佐々木朗希に向けられる“疑いの目”…逃げ癖ついたロッテ時代はチーム内で信頼されず

  2. 2

    ドジャース佐々木朗希の離脱は「オオカミ少年」の自業自得…ロッテ時代から繰り返した悪癖のツケ

  3. 3

    備蓄米報道でも連日登場…スーパー「アキダイ」はなぜテレビ局から重宝される?

  4. 4

    上白石萌音・萌歌姉妹が鹿児島から上京して高校受験した実践学園の偏差値 大学はそれぞれ別へ

  5. 5

    “名門小学校”から渋幕に進んだ秀才・田中圭が東大受験をしなかったワケ 教育熱心な母の影響

  1. 6

    大阪万博“唯一の目玉”水上ショーもはや再開不能…レジオネラ菌が指針値の20倍から約50倍に!

  2. 7

    今秋ドラフト候補が女子中学生への性犯罪容疑で逮捕…プロ、アマ球界への小さくない波紋

  3. 8

    星野源「ガッキーとの夜の幸せタイム」告白で注目される“デマ騒動”&体調不良説との「因果関係」

  4. 9

    女子学院から東大文Ⅲに進んだ膳場貴子が“進振り”で医学部を目指したナゾ

  5. 10

    “貧弱”佐々木朗希は今季絶望まである…右肩痛は原因不明でお手上げ、引退に追い込まれるケースも