著者のコラム一覧
中川恵一東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授

1960年生まれ。東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授。すべてのがんの診断と治療に精通するエキスパート。がん対策推進協議会委員も務めるほか、子供向けのがん教育にも力を入れる。「がんのひみつ」「切らずに治すがん治療」など著書多数。

長渕剛が母の介護を告白 認知症併発のがんは待機療法も

公開日: 更新日:

 歌手の長渕剛さん(63)というと、男気あふれるライブパフォーマンスで知られます。そんな魂の男がテレビ番組で語った、今は亡き母の介護秘話は、これからの日本の姿を象徴しているかもしれません。

 報道によると「巡恋歌」「順子」などで人気歌手になった1981年、25歳の時に、母(当時53歳)が末期の大腸がんであることが発覚。

 手術で一命を取り留めたものの、3年後に今度は、若年性アルツハイマー型認知症と診断されたそうです。

 認知症の診断から5年後には、母を自宅で介護しようとして、「お風呂で母の陰部まで洗った時に『母ちゃん、ごめん、オレ、無理だ』という気持ちになりました」とつらい思いを吐露。結局、病院に頼ったことで、面倒を見てあげられない自責の念で涙を流したといいます。

 歌手として脂の乗った33歳。長渕さんでなくても、若くして認知症の母を介護するのはショックでしょう。

 私が生まれた1960年、人口に占める65歳以上の割合は6%程度。しかし、今や高齢化率は世界最高の26%に上昇。20年後には、3人に1人が高齢者になるといわれます。高齢化によって生まれる病気が、がんと認知症ですから、今後、長渕さんのような介護を余儀なくされる人が増えるのは明らかでしょう。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    巨人がもしFA3連敗ならクビが飛ぶのは誰? 赤っ恥かかされた山口オーナーと阿部監督の怒りの矛先

  2. 2

    大山悠輔が“巨人を蹴った”本当の理由…東京で新居探し説、阪神に抱くトラウマ、条件格差があっても残留のまさか

  3. 3

    悠仁さまの筑波大付属高での成績は? 進学塾に寄せられた情報を総合すると…

  4. 4

    大山悠輔に続き石川柊太にも逃げられ…巨人がFA市場で嫌われる「まさかの理由」をFA当事者が明かす

  5. 5

    織田裕二がフジテレビと決別の衝撃…「踊る大捜査線」続編に出演せず、柳葉敏郎が単独主演

  1. 6

    ロッテ佐々木朗希は母親と一緒に「米国に行かせろ」の一点張り…繰り広げられる泥沼交渉劇

  2. 7

    ヤクルト村上宗隆と巨人岡本和真 メジャーはどちらを高く評価する? 識者、米スカウトが占う「リアルな数字」

  3. 8

    どうなる?「トリガー条項」…ガソリン補助金で6兆円も投じながら5000億円の税収減に難色の意味不明

  4. 9

    「天皇になられる方。誰かが注意しないと…」の声も出る悠仁さまの近況

  5. 10

    タイでマッサージ施術後の死亡者が相次ぐ…日本の整体やカイロプラクティック、リラクゼーションは大丈夫か?