予防には徹底した手洗い アルコール消毒だけは効果限定的

公開日: 更新日:

 個人がいまできる最大の予防策といえば「徹底した手洗い」と「エタノール(アルコール)消毒」だろう。

 この2つは、どちらを優先すべきなのか? 「弘邦医院」(東京・葛西)の林雅之院長に聞いた。

「断然、手洗いです。ノロウイルスに関する手洗い時間と回数による効果を調べた研究が、2006年に感染症学雑誌に発表されています。それによると、手洗いなしでの残存ウイルス数100万個に対して、ハンドソープで10秒の揉み洗い後に流水15秒のすすぎを2回繰り返すと、数個に減ることが報告されています」

 残存率はなんと0・0001%以下。ハンドソープを使った手洗いは、単にウイルスを石鹸で絡め取って物理的に洗い流すだけだから、手にも優しい。しかもウイルスは、ノロだろうが新型コロナだろうが同じ効果が期待できる。

 一方、病院などの医療機関などに置いてある手指消毒用のエタノールはウイルスの種類によってその効果が違う。

インフルエンザのように脂溶性の殻(エンベロープ)をもつウイルスに対しては消毒用のエタノールは効果があります。脂溶性の殻を壊して感染が拡大するのを防ぐ働きがあるからです。ところが、ノロウイルスなどのようにエンベロープがなければ消毒用エタノールは効きません」

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    巨人が李承燁コーチ就任を発表も…OBが「チグハグ」とクビを傾げるFA松本剛獲得の矛盾

  2. 2

    マエケンは「田中将大を反面教師に」…巨人とヤクルトを蹴って楽天入りの深層

  3. 3

    ドジャース首脳陣がシビアに評価する「大谷翔平の限界」…WBCから投打フル回転だと“ガス欠”確実

  4. 4

    SBI新生銀が「貯金量107兆円」のJAグループマネーにリーチ…農林中金と資本提携し再上場へ

  5. 5

    阿部巨人に大激震! 24歳の次世代正捕手候補がトレード直訴の波紋「若い時間がムダになっちゃう」と吐露

  1. 6

    陰謀論もここまで? 美智子上皇后様をめぐりXで怪しい主張相次ぐ

  2. 7

    白木彩奈は“あの頃のガッキー”にも通じる輝きを放つ

  3. 8

    渋野日向子の今季米ツアー獲得賞金「約6933万円」の衝撃…23試合でトップ10入りたった1回

  4. 9

    12.2保険証全面切り替えで「いったん10割負担」が激増! 血税溶かすマイナトラブル“無間地獄”の愚

  5. 10

    日本相撲協会・八角理事長に聞く 貴景勝はなぜ横綱になれない? 貴乃花の元弟子だから?