“声の衛生教育”を2カ月 6割以上の人の声帯ポリープ消えた

公開日: 更新日:

「乾燥やほこりに注意する」「無理な発声の禁止」「大声を出さない」「声が出にくい時は出さない」「風邪の時は無理をしない」などと患者に“教育”を行うのは手間がかかるからだ。言語聴覚士が不足しているという問題点もある。最初から声の衛生教育を行わず、手術を勧める医師も少なくない。

 角田医師が、手術前の声の衛生教育が重要だと考えるのは、次の理由からだ。まず、全身麻酔をかける手術は患者の体に負担をかけること。次に、手術が医療費の負担増になること。さらに、声帯ポリープは原因を解決しなければ、手術で取ってもまたできること。声の衛生教育は、つまりは、声帯ポリープができにくい声の出し方を指導するものなので、再発防止にもなる。

「私たち国立病院機構の全国11病院からなる感覚器研究グループは、声の衛生教育の効果を客観的に示すために、世界初のランダム化比較試験を行いました。その結果は、2018年発行の医学誌『Laryngoscope』に掲載されました」

 角田医師らは、声帯ポリープと声帯結節(声帯にできるコブ)の患者200人を2つのグループに分けた。具体的には、①医師、言語聴覚士、患者によるチーム医療で啓発DVDなどを用いて声の衛生教育を行う②声の衛生教育について書いたパンフレットを渡し、注意喚起するのみ――という2つのグループだ。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    元大食い女王・赤阪尊子さん 還暦を越えて“食欲”に変化が

  2. 2

    今の渋野日向子にはゴルフを遮断し、クラブを持たない休息が必要です

  3. 3

    大谷翔平は米国人から嫌われている?メディアに続き選手間投票でもMVP落選の謎解き

  4. 4

    大食いタレント高橋ちなりさん死去…元フードファイターが明かした壮絶な摂食障害告白ブログが話題

  5. 5

    YouTuber「はらぺこツインズ」は"即入院"に"激変"のギャル曽根…大食いタレントの健康被害と需要

  1. 6

    大食いはオワコン?テレ東番組トレンド入りも批判ズラリ 不満は「もったいない」だけじゃない

  2. 7

    高市内閣の閣僚にスキャンダル連鎖の予兆…支持率絶好調ロケットスタートも不穏な空気

  3. 8

    「渡鬼」降板、病魔と闘った山岡久乃

  4. 9

    大谷翔平の来春WBC「二刀流封印」に現実味…ドジャース首脳陣が危機感募らすワールドシリーズの深刻疲労

  5. 10

    高市早苗「飲みィのやりィのやりまくり…」 自伝でブチまけていた“肉食”の衝撃!