著者のコラム一覧
宮沢孝幸京都大学ウイルス・再生医科学研究所准教授

京都大学ウイルス・再生医科学研究所附属感染症モデル研究センターウイルス共進化分野准教授。日本獣医学会賞、ヤンソン賞などを受賞。小動物ウイルス病研究会、副会長。

出口戦略で都市封鎖は現実的でない…「新自粛」を提唱する

公開日: 更新日:

 新型コロナウイルス対策の最終ゴールへ向けての戦略は主に2つある。「ウイルスからとことん逃げる作戦」と、「集団免疫により乗り切る作戦」である。どちらが良いのか。

 「ウイルスからとことん逃げる作戦」は、実効再生産数(Rt)を1未満に維持することである。閉じた集団内であれば、Rtを1未満にすることによりウイルス感染を終息に導ける。ただ、鎖国するわけにはいかないので、この施策は世界的なウイルスの流行が終わるまで、あるいは効果的なワクチンが開発されるまで続けなければならない。しかし、その見通しは明るくはない。

 「集団免疫によって乗り切る作戦」は、早期に一定以上の人々が感染することにより、集団を免疫獲得状態にすることである。理論的には集団中のおよそ6割が感染すれば、ウイルス感染は終息する。しかし、集団免疫作戦は医療崩壊の危険性がある。医療崩壊を起こしてしまった場合は、ウイルスによる人的被害は甚大となる。この作戦をとる場合は、医療崩壊を起こさないようにRt値を1になるべく近づけなければならない。また、犠牲者を減らすために、重症化率の高い高齢者や基礎疾患をもっている人を隔離することも必要となる。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    日本中学生新聞が見た参院選 「参政党は『ネオナチ政党』。取材拒否されたけど注視していきます」

  2. 2

    松下洸平結婚で「母の異変」の報告続出!「大号泣」に「家事をする気力消失」まで

  3. 3

    松下洸平“電撃婚”にファンから「きっとお相手はプロ彼女」の怨嗟…西島秀俊の結婚時にも多用されたワード

  4. 4

    阪神に「ポスティングで戦力外」の好循環…藤浪晋太郎&青柳晃洋が他球団流出も波風立たず

  5. 5

    俺が監督になったら茶髪とヒゲを「禁止」したい根拠…立浪和義のやり方には思うところもある

  1. 6

    (1)広報と報道の違いがわからない人たち…民主主義の大原則を脅かす「記者排除」3年前にも

  2. 7

    自民両院議員懇談会で「石破おろし」が不発だったこれだけの理由…目立った空席、“主導側”は発言せず欠席者も

  3. 8

    参政党のSNS炎上で注目「ジャンボタニシ」の被害拡大中…温暖化で生息域拡大、防除ノウハウない生産者に大打撃

  4. 9

    自民党「石破おろし」の裏で暗躍する重鎮たち…両院議員懇談会は大荒れ必至、党内には冷ややかな声も

  5. 10

    “死球の恐怖”藤浪晋太郎のDeNA入りにセ5球団が戦々恐々…「打者にストレス。パに行ってほしかった」