新型コロナ<8>「まだウイルスがしっかりと残っています」

公開日: 更新日:

「退院の延長と聞いて少しがっかり。でも、延期をプラス思考にとらえました。健康状態に戻り、退院して自宅で療養したら、おそらく外出するかもしれません。それならやはり病院の管理下に置かれた方がいいのではと思いました」

 風邪インフルエンザは、解熱剤などの治療で3日か長くて1週間でほぼ完治する。一方、この新型コロナウイルスは、増幅しながら感染して20日過ぎてもしつこく体内にすみ、薬も寄せ付けない。最悪、重症化したら心肺停止のカウントダウンに入る。

「強敵なウイルス」とあらためて恐怖を感じる一方で、渡辺さんは退院の際、支払う入院費用について看護師に尋ねてみた。

「入院費は公費で賄いますが、検査費用は自己負担になります」

 翌日の7日、病室で、安倍首相が発令した「緊急事態宣言」を知った。不要不急以外は外出することなくステイホームしなさいという要請、あるいは指示である。

 でも……と、感染して生き地獄の苦しみを体験した渡辺さんは言う。

「政府の対策は甘いのではないでしょうか。今、この新型コロナウイルスの感染を断ち切り、国民の生命を守るためには『外出を禁止する』と声明を出すべきです」

 当時も今も渡辺さんはそう思っているという。=つづく

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    佐々木朗希「スライダー頼み」に限界迫る…ドジャースが見込んだフォークと速球は使い物にならず

  2. 2

    永野芽郁「キャスター」視聴率2ケタ陥落危機、炎上はTBSへ飛び火…韓国人俳優も主演もとんだトバッチリ

  3. 3

    「たばこ吸ってもいいですか」…新規大会主催者・前澤友作氏に問い合わせて一喝された国内男子ツアーの時代錯誤

  4. 4

    風そよぐ三浦半島 海辺散歩で「釣る」「食べる」「買う」

  5. 5

    広島・大瀬良は仰天「教えていいって言ってない!」…巨人・戸郷との“球種交換”まさかの顛末

  1. 6

    広島新井監督を悩ます小園海斗のジレンマ…打撃がいいから外せない。でも守るところがない

  2. 7

    インドの高校生3人組が電気不要の冷蔵庫を発明! 世界的な環境賞受賞の快挙

  3. 8

    令和ロマンくるまは契約解除、ダウンタウンは配信開始…吉本興業の“二枚舌”に批判殺到

  4. 9

    “マジシャン”佐々木朗希がド軍ナインから見放される日…「自己チュー」再発には要注意

  5. 10

    永野芽郁「二股不倫」報道でも活動自粛&会見なし“強行突破”作戦の行方…カギを握るのは外資企業か