著者のコラム一覧
石原藤樹「北品川藤クリニック」院長

信州大学医学部医学科大学院卒。同大学医学部老年内科(内分泌内科)助手を経て、心療内科、小児科研修を経て、1998年より「六号通り診療所」所長を務めた。日本プライマリ・ケア学会会員。日本医師会認定産業医・同認定スポーツ医。糖尿病協会療養指導医。

補充すると予防できるのか?ビタミンDとうつ病の関係

公開日: 更新日:

 現代社会はストレスが強く、うつ病などの感情障害が多いと指摘されています。仕事のストレスがきっかけでうつ病を発症する人は多いですし、今は「コロナうつ」も問題となっています。それでは、うつ病を予防する方法はないのでしょうか?

「ストレスをためなければいい」というのは正論ですが、現代社会では実際には困難です。

 うつ病は年齢を問わず発症しますが、中高年で発症するうつ病は、脳の動脈硬化などの体の変化が影響することが多いと指摘されています。また、年齢により低下する栄養素などが影響するという報告もあります。

 その点で最近注目されているのがビタミンDです。ビタミンDは骨の健康のために不可欠なビタミンですが、それ以外にも多くの生理作用を持ち、血液中のビタミンDの濃度が低いと、その後うつ病を発症しやすいという報告が複数あるのです。それでは、ビタミンDを補充すると、その後のうつ病が予防できるのでしょうか?

 今年の米国医師会雑誌に、それについての臨床試験の結果が報告されています。50歳以上の1万8000人余りの一般住民を対象としてビタミンDのサプリメントの使用と、その後のうつ病のリスクを比較したのですが、結果は明確な効果が証明されませんでした。

 ビタミンDとうつ病との間には、何らかの関係はありそうなのですが、単純にサプリメントでうつ病が予防できる、ということはなさそうです。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    梅野隆太郎は崖っぷち…阪神顧問・岡田彰布氏が指摘した「坂本誠志郎で捕手一本化」の裏側

  2. 2

    阪神に「ポスティングで戦力外」の好循環…藤浪晋太郎&青柳晃洋が他球団流出も波風立たず

  3. 3

    阪神・佐藤輝明が“文春砲”に本塁打返しの鋼メンタル!球団はピリピリも、本人たちはどこ吹く風

  4. 4

    自民両院議員懇談会で「石破おろし」が不発だったこれだけの理由…目立った空席、“主導側”は発言せず欠席者も

  5. 5

    広末涼子「実況見分」タイミングの謎…新東名事故から3カ月以上なのに警察がメディアに流した理由

  1. 6

    参政党のSNS炎上で注目「ジャンボタニシ」の被害拡大中…温暖化で生息域拡大、防除ノウハウない生産者に大打撃

  2. 7

    国保の有効期限切れが8月1日からいよいよスタート…マイナ大混乱を招いた河野太郎前デジタル相の大罪

  3. 8

    『ナイアガラ・ムーン』の音源を聴き、ライバルの細野晴臣は素直に脱帽した

  4. 9

    初当選から9カ月の自民党・森下千里議員は今…参政党さや氏で改めて注目を浴びる"女性タレント議員"

  5. 10

    “死球の恐怖”藤浪晋太郎のDeNA入りにセ5球団が戦々恐々…「打者にストレス。パに行ってほしかった」