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中川恵一東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授

1960年生まれ。東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授。すべてのがんの診断と治療に精通するエキスパート。がん対策推進協議会委員も務めるほか、子供向けのがん教育にも力を入れる。「がんのひみつ」「切らずに治すがん治療」など著書多数。

たいめいけん三代目は9月下旬に 現役世代のがん手術日は?

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 その場合、重要な要素が、がんの増大スピードです。たとえば、肺がんは3センチを超えると、ステージ2になります。茂出木さんはステージ1で、腫瘍の大きさは「2センチほど」。「ほど」の解釈が微妙ですが、一般にステージ1の十分早期に見つかった患者さんが、3カ月に1回くらいCT検査を受けながら、仕事にメドをつけ、手術日のタイミングを探ることはあります。

 そのタイミングを計る上での重要な条件が増大傾向が認められないことなのです。

 増大のスピードが速ければ、手遅れになるリスクがありますから、一般に3カ月に1回のフォロー検査で手術日を探るのは、人間ドックなど定期的な検診で見つかった早期がんに限られます。

 肺がんの5年生存率は、ステージ1が83・3%で、ステージ2は48・8%に低下。ステージ3は22・7%で、ステージ4は5・8%に下がるのです。

 これに対して腎臓がんは、ステージ1が95・8%で、ステージ2は76・8%、ステージ3は72・1%と、ステージ3までは治る可能性が高い。腎臓がんで、すぐに手術をせず、経過観察がなされることがあるのは、増大のスピードが比較的遅いためです。

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