著者のコラム一覧
中川恵一東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授

1960年生まれ。東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授。すべてのがんの診断と治療に精通するエキスパート。がん対策推進協議会委員も務めるほか、子供向けのがん教育にも力を入れる。「がんのひみつ」「切らずに治すがん治療」など著書多数。

感染対策も大事だが コロナ禍でも怠るな「3つの健康対策」

公開日: 更新日:

 新型コロナウイルスの感染者数が、拡大しています。この病気が怖いのは容体が急変して、命が奪われることですから、マスクや手洗い、うがいなどを徹底することはとても大切です。

 しかし、コロナ対策を徹底するあまり、全体的な健康対策を後回しにしてはいけません。一時、院内感染の広がりで手術をストップする病院が相次ぎ、企業健診やがん検診をはじめとする各種検診も停止しました。患者目線でいうと、検診の後回しは早期発見の遅れや病状悪化を招く恐れがあります。コロナ禍における全体的な健康対策は、そういうリスクを潰すことです。

 具体的には、①在宅勤務による生活習慣の悪化②各種検診延期による早期発見の遅れ③がん治療の停滞です。この3つの影響が、見逃せません。詳しく見ましょう。

 在宅勤務の定着で、デスクワークの時間が増加。ネット調査では、8割が増えたと回答し、増えた時間は「1時間以上3時間未満」が43%で、「3時間以上5時間未満」は22%に上ります。実は座り過ぎは、がんを助長するのです。

 米テキサス大MDアンダーソンがんセンターの研究チームは、座る時間の長さによって3グループに分けて比較したところ、「最長」は「最短」に比べてがんで亡くなるリスクが82%も高かったのです。一般に、たばこは60%がん死を増やしますから、座り過ぎは20ポイントも高いことになります。

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