著者のコラム一覧
清澤源弘自由が丘清澤眼科院長

1953年、長野県生まれ。東北大学医学部卒、同大学院修了。86年、仏原子力庁、翌年に米ペンシルベニア大学並びにウイリス眼科病院に留学。92年、東京医科歯科大眼科助教授。2005-2021年清澤眼科院長。2021年11月自由が丘清澤眼科を新たに開院。日本眼科学会専門医、日本眼科医会学術部委員、日本神経眼科学会名誉会員など。

頭痛を伴う眼の周囲の赤い腫れは新型コロナでしょうか?

公開日: 更新日:

【Q】三日前から左の目の周りが赤くはれ、微熱もあって頭痛もあります。新型コロナ感染症ではないでしょうか?受診してもよいですか?(83歳女性
?

【A】新型コロナウイルス感染症で結膜炎が起きたり眼に痛みを生したりすることがあると聞いて、いきなり眼科を受診してもよいものか、と慎重を期して電話をくださったようです。

 すぐにこの患者さんをお呼びして診察してみると、なんと眼部帯状疱疹。左目の周りに皮疹が出ており、それが額から頭髪の中まで広がっていました。

 帯状疱疹は身体の知覚神経の走行に沿って発疹を生じます。皮疹は1週間くらいで治まるのですが、皮疹が治ってからも嫌な慢性疼痛を残すことがあります。皮疹は体幹にも出ることがありますが、頸部から上ではこの方のように片眼の周囲に出ることが多いのです。

 眼部の帯状疱疹は、三叉神経第一枝(眼神経)の領域におこります。時に第二枝領域にも及ぶことがあります。角膜炎をはじめ、さまざまな眼合併症を生じる場合もあります。この方の皮膚病変ははっきりしたものでしたが、幸いにも角膜、結膜や眼球内には広がってはいませんでした。眼科的治療としては、結膜炎や上皮型の角膜炎などの炎症症状があればアシクロビル軟膏を使い、さらに角膜実質や眼内に炎症を起こしている場合には、局所点眼ステロイド薬等を用いた治療をおこないます。抗ウイルス薬の内服も必要なので、私は最初の眼科的治療の直後に皮膚科医に処方をお願いしています。十分に抗ウイルス作用を発揮させるためには、内服薬の用法・用量を確実に守ることが重要です。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ドジャース佐々木朗希に向けられる“疑いの目”…逃げ癖ついたロッテ時代はチーム内で信頼されず

  2. 2

    ドジャース佐々木朗希の離脱は「オオカミ少年」の自業自得…ロッテ時代から繰り返した悪癖のツケ

  3. 3

    備蓄米報道でも連日登場…スーパー「アキダイ」はなぜテレビ局から重宝される?

  4. 4

    上白石萌音・萌歌姉妹が鹿児島から上京して高校受験した実践学園の偏差値 大学はそれぞれ別へ

  5. 5

    “名門小学校”から渋幕に進んだ秀才・田中圭が東大受験をしなかったワケ 教育熱心な母の影響

  1. 6

    大阪万博“唯一の目玉”水上ショーもはや再開不能…レジオネラ菌が指針値の20倍から約50倍に!

  2. 7

    今秋ドラフト候補が女子中学生への性犯罪容疑で逮捕…プロ、アマ球界への小さくない波紋

  3. 8

    星野源「ガッキーとの夜の幸せタイム」告白で注目される“デマ騒動”&体調不良説との「因果関係」

  4. 9

    女子学院から東大文Ⅲに進んだ膳場貴子が“進振り”で医学部を目指したナゾ

  5. 10

    “貧弱”佐々木朗希は今季絶望まである…右肩痛は原因不明でお手上げ、引退に追い込まれるケースも