著者のコラム一覧
中川恵一東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授

1960年生まれ。東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授。すべてのがんの診断と治療に精通するエキスパート。がん対策推進協議会委員も務めるほか、子供向けのがん教育にも力を入れる。「がんのひみつ」「切らずに治すがん治療」など著書多数。

堀ちえみさんが歌声披露 発声と食事は術後リハビリで守る

公開日: 更新日:

■ら行が難しくなる

 舌亜全摘手術後、1週間は鼻から管を通して流動食で栄養を取ります。嚥下訓練はそれからで、口から十分な栄養を取れるようになるまで1~2カ月かかることも珍しくありません。

 咀嚼には、歯のほかに舌の働きが不可欠。舌が食べ物を支えたり、奥歯の方へ送ったりすることが重要なのです。総入れ歯の方で、豆腐など軟らかいものだと、入れ歯をはずしてむしゃむしゃすることがあるのは、咀嚼において、舌の重要性を裏づけています。

 そのため舌亜全摘手術後は、歯があっても十分な咀嚼ができにくい。食材を細かく刻んだり、圧力鍋で軟らかく煮込んだり。軟らかいものしか食べられなくなることもあります。

 堀さんは「『リ・ボ・ン』のタイトルだけでも言いづらい」と語っていました。「ら・り・る・れ・ろ」は舌の先端を上あごにぶつけて発声するため、舌の半分以上がないと、術前のような動きに戻すのは難しい。口の中の別の部分に舌を当て、“らしい音”を新しくつくったり、上あごの装具を使ったトレーニングをしたりします。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    新生阿部巨人は早くも道険し…「疑問残る」コーチ人事にOBが痛烈批判

  2. 2

    阿部巨人V逸の責任を取るのは二岡ヘッドだけか…杉内投手チーフコーチの手腕にも疑問の声

  3. 3

    阪神「次の二軍監督」候補に挙がる2人の大物OB…人選の大前提は“藤川野球”にマッチすること

  4. 4

    阪神・大山を“逆シリーズ男”にしたソフトバンクの秘策…開幕前から丸裸、ようやく初安打・初打点

  5. 5

    巨人桑田二軍監督の“排除”に「原前監督が動いた説」浮上…事実上のクビは必然だった

  1. 6

    創価学会OB長井秀和氏が明かす芸能人チーム「芸術部」の正体…政界、芸能界で蠢く売れっ子たち

  2. 7

    阪神の日本シリーズ敗退は藤川監督の“自滅”だった…自軍にまで「情報隠し」で選手負担激増の本末転倒

  3. 8

    大谷翔平の来春WBC「二刀流封印」に現実味…ドジャース首脳陣が危機感募らすワールドシリーズの深刻疲労

  4. 9

    大死闘のワールドシリーズにかすむ日本シリーズ「見る気しない」の声続出…日米頂上決戦めぐる彼我の差

  5. 10

    ソフトB柳田悠岐が明かす阪神・佐藤輝明の“最大の武器”…「自分より全然上ですよ」