自殺防止に役立つか ほぼ毎日のLINEが「コロナうつ」に関係

公開日: 更新日:

■「変化」が良くない可能性

 もうひとつは、生活スタイルや運動との関係。生活が不規則な人ほど、うつ病や自殺念慮の割合が多かった。

「男女とも夕食時間が不規則な人は、うつ病や自殺念慮の割合が高まっていました。女性では就寝時間、男性では仕事や学校の開始時間の不規則さも関係していました」

 生活の不規則化は体内時計が乱れ、うつ病だけでなく、さまざまな心身の不調を招くことは医学的にも知られており、「コロナ禍の過ごし方」として国際学会が共同声明を出しているほどだ。第1波到来の際には、日本うつ病学会からもその翻訳が発表された。今回の研究から、実際の“コロナうつ”に関しても体内時計のメンタルにおける重要性が示唆されたとも言える。

 運動に関しては、特に歩数や運動量が多いからといって、うつ病や自殺念慮が少ないという結果には至らなかった。しかし興味深いのは、「運動量が昨年より減った」人では、うつ病や自殺念慮の割合が高かった点。

「因果関係などの解釈には注意が必要なものの、年収や生活スタイルについても言えますが、『変化』が特に良くないのではないかと考えています」

 コロナ禍収束のめどはつかず、その先行きは誰にもわからない不安定な状況だ。そんな中、心身の健康を保つための土台として、規則正しい生活を送り、困ったことがあればSNSでもよいので連絡を取れる相談相手を充実させていきたい。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    阪神・梅野がFA流出危機!チーム内外で波紋呼ぶ起用法…優勝M点灯も“蟻の一穴”になりかねないモチベーション低下

  2. 2

    梅野隆太郎は崖っぷち…阪神顧問・岡田彰布氏が指摘した「坂本誠志郎で捕手一本化」の裏側

  3. 3

    「高市早苗首相」誕生睨み復権狙い…旧安倍派幹部“オレがオレが”の露出増で主導権争いの醜悪

  4. 4

    巨人・戸郷翔征は「新妻」が不振の原因だった? FA加入の甲斐拓也と“別れて”から2連勝

  5. 5

    国民民主党「選挙違反疑惑」女性議員“首切り”カウントダウン…玉木代表ようやく「厳正処分」言及

  1. 6

    時効だから言うが…巨人は俺への「必ず1、2位で指名する」の“確約”を反故にした

  2. 7

    パナソニックHDが1万人削減へ…営業利益18%増4265億円の黒字でもリストラ急ぐ理由

  3. 8

    ドジャース大谷翔平が3年連続本塁打王と引き換えに更新しそうな「自己ワースト記録」

  4. 9

    デマと誹謗中傷で混乱続く兵庫県政…記者が斎藤元彦県知事に「職員、県議が萎縮」と異例の訴え

  5. 10

    阪神に「ポスティングで戦力外」の好循環…藤浪晋太郎&青柳晃洋が他球団流出も波風立たず