AIとビッグデータは「目」の診断治療をどう変えるのか?

公開日: 更新日:

「IDx―DRは眼底画像から糖尿病網膜症を即座に検出する医療機器です。それまでも医療用AIは医師支援ツールとして実用化されてきましたが、あくまでもAIが提供する医療情報を参考にしながら最終決定は医師が行うものでした。ところが、IDx―DRは眼底写真用の特殊なカメラで撮影された患者さんの眼底写真を自動解析して糖尿病網膜症の有無や進行期を診断するのです」

 ただし、IDx―DRの正解率は90%そこそこで決して優秀とはいえなかった。にもかかわらずFDAが医療機器として認めたのは、米国では糖尿病患者が多い割に眼科医の数が少ないからだ。そのため米国では患者自身も気づかないうちに糖尿病網膜症になる人が多いという事情がある。

「そのため、この医療機器は内科や健診クリニック向けに販売され、糖尿病網膜症の患者さんをいち早く発見するための1次スクリーニング用の医療機器として期待されたのです」

 2020年8月にFDAから認可を得た2機種目となるEyeArtは眼底カメラ撮影の特別な練習を受けたことのない検査員が撮影した眼底映像の97%を読影でき、判定の正解率は96%だという。本格的なAIドクターの誕生だ。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ドジャース大谷翔平が直面する米国人の「差別的敵愾心」…米野球専門誌はMVPに選ばず

  2. 2

    巨人の“お家芸”今オフの「場当たり的補強」はフロント主導…来季もダメなら編成幹部の首が飛ぶ

  3. 3

    「えげつないことも平気で…」“悪の帝国”ドジャースの驚愕すべき強さの秘密

  4. 4

    阿部巨人V逸の責任を取るのは二岡ヘッドだけか…杉内投手チーフコーチの手腕にも疑問の声

  5. 5

    国民・玉木雄一郎代表の“不倫相手”元グラドルがSNS凍結? 観光大使を委嘱する行政担当者が「現在地」を答えた

  1. 6

    星野監督時代は「陣形」が存在、いまでは考えられない乱闘の内幕

  2. 7

    若林志穂さん「Nさん、早く捕まってください」と悲痛な叫び…直前に配信された対談動画に反応

  3. 8

    米倉涼子に降りかかった2度目の薬物疑惑…元交際相手逮捕も“尿検査シロ”で女優転身に成功した過去

  4. 9

    国民民主から維新に乗り換えた高市自民が「政治の安定」を掲げて「数合わせヤドカリ連立」を急ぐワケ

  5. 10

    今オフ日本史上最多5人がメジャー挑戦!阪神才木は“藤川監督が後押し”、西武Wエースにヤクルト村上、巨人岡本まで