新型コロナの後遺症には「血栓」が大きく関わっている

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 入院時だけでなく回復期にかけてもDダイマーが上昇する患者もいる。退院後、だるさが続いていると訴えて外来を受診した患者のDダイマーを計測すると30だったケースもあったという。

「江戸川病院では、入院している新型コロナの患者さんのほぼ全例で、血栓の形成を防ぐために血液をサラサラにする抗凝固剤を使った治療も並行して行っています。現段階では、回復して退院した患者さんには基本的に抗凝固剤の内服はしていませんが、今後は後遺症の軽減、またはさらなる血栓予防のために必要になるかもしれません」(加藤院長)

 新型コロナに感染するとなぜ血栓ができるのかについては、サイトカイン、血管内皮障害、ウイルスのS抗原自体が血栓を呼びやすい構造をしていることなどが考えられている。

 ウイルスがわれわれの体内に侵入すると、ウイルスを撃退するために炎症性サイトカインが血中で上昇する。サイトカインには血管の透過性を上げる作用があるため、血液が漏れないように止血の役割を担う血小板が多く集まり、血栓が作られやすくなってしまう。また、ウイルスが血管の最内層を覆っている血管内皮細胞を傷つけることで、抗血栓性分子の発現量が低下したり、血小板が凝集を起こしやすくなって血栓が形成される。

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