著者のコラム一覧
小林秀行東邦大学医学部泌尿器科学講座准教授

1975年、東京都生まれ。2000年東邦大学医学部を卒業。卒後研修終了後に東北大学大学院医学系研究科病理病態学講座免疫学分野に進学。医学博士を取得。ペンシルバニア大学獣医学部にてリサーチアソシエイト。その後、東邦大学医学部泌尿器科学講座に復帰。2014年より現職。日本泌尿器科学会専門医・指導医、日本生殖医学会生殖医療専門医。専門は男性不妊症。noteにてブログ「Blue-男性不妊症について」を配信中。

精子を作れるのか、作れないのか…それが問題だ

公開日: 更新日:

 男性不妊症の原因については多岐にわたることが知られています。平成26年度に全国39施設での男性不妊症患者7253名を対象に調査が行われました。その結果、男性不妊症の原因の1位は造精機能障害(82・4%)によるものでした。つまり、精子を作るのに障害があるケースです。

 2位は勃起障害や射精障害 などの性機能障害(13・5%)で、3位は精子が通る道が詰まっている精路通過障害(3・9%)でした。これは、精子は作れているのにうまく出ていけない状態にあるということです。

 第1位の造精機能障害ですが、その内訳は51%が原因不明で、次いで36・6%が精索静脈瘤でした。つまり、男性不妊症の多くは原因不明といえます。そのため、パートナーが検査をしたときに、同時に精液検査を行ない、たまたま精液所見が不良で見つかるケースが多いです。

■精子ができない原因の3割は「精索静脈瘤」

 ここで、造精機能障害が原因の不妊と造精機能障害以外の不妊とに分けて考えます。まずは、造精機能障害による不妊です。「精索静脈瘤」が約3割以上を占めます。左側に多く、静脈血が精巣につながっている精索静脈へ逆流して、蔓状静脈叢がうっ血をきたした状態を指します。

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