著者のコラム一覧
尾上泰彦「プライベートケアクリニック東京」院長

性感染症専門医療機関「プライベートケアクリニック東京」院長。日大医学部卒。医学博士。日本性感染症学会(功労会員)、(財)性の健康医学財団(代議員)、厚生労働省エイズ対策研究事業「性感染症患者のHIV感染と行動のモニタリングに関する研究」共同研究者、川崎STI研究会代表世話人などを務め、日本の性感染症予防・治療を牽引している。著書も多く、近著に「性感染症 プライベートゾーンの怖い医学」(角川新書)がある。

「精索静脈瘤」とは“冷却装置”の故障で精子が劣化する病気

公開日: 更新日:

 男性の陰嚢(いんのう、タマ袋)は、暑いところにいるときはダラリと垂れ下がります。寒いところにいるときは、股間にへばりつくように縮み上がります。この現象は、精巣(睾丸)と体の距離を調節して精巣を適温に保つために自然と起こります。

 それは精巣の精子をつくる機能(造精機能)が、熱に非常に弱いからです。日本人の平均体温は36~37度ですが、精巣の機能を保つには体温より2度ほど低いのが適温とされています。ですから体温の影響を受けない(温め過ぎない)ように、股間にぶら下がって温度調節をしているのです。

 精巣の温度が高過ぎるとどうなるかというと、元気な精子をつくれなくなる。つまり、男性不妊の原因として知られる「乏精子症」や「精子無力症」などが起こりやすくなります。

 その造精機能障害を引き起こす原因で最も多いのが、「精索(せいさく)静脈瘤(りゅう)」という病気です。精巣から心臓に戻る精巣静脈内の血液が逆流してしまい、精巣の周りに静脈のコブ(精索静脈瘤)ができるのです。そうなると、お腹から逆流した温かい血液がとどまって、精巣の温度を上げてしまうのです。それによって「造精機能の低下」「精子のDNA損傷」「男性ホルモンの分泌低下」などが引き起こされます。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    渋野日向子に「ジャンボ尾崎に弟子入り」のススメ…国内3試合目は50人中ブービー終戦

  2. 2

    国分太一が「世界くらべてみたら」の収録現場で見せていた“暴君ぶり”と“セクハラ発言”の闇

  3. 3

    ソフトバンクは「一番得をした」…佐々木麟太郎の“損失見込み”を上回る好選定

  4. 4

    国分太一は人権救済求め「窮状」を訴えるが…5億円自宅に土地、推定年収2億円超の“勝ち組セレブ”ぶりも明らかに

  5. 5

    人権救済を申し立てた国分太一を横目に…元TOKIOリーダー城島茂が始めていた“通販ビジネス”

  1. 6

    阪神「次の二軍監督」候補に挙がる2人の大物OB…人選の大前提は“藤川野球”にマッチすること

  2. 7

    沢口靖子「絶対零度」が月9ワースト目前の“戦犯”はフジテレビ? 二匹目のドジョウ狙うも大誤算

  3. 8

    ソフトバンクに「スタメン定着後すぐアラサー」の悪循環…来季も“全員揃わない年”にならないか

  4. 9

    巨人・桑田二軍監督の電撃退団は“事実上のクビ”…真相は「優勝したのに国際部への異動を打診されていた」

  5. 10

    小泉“セクシー”防衛相からやっぱり「進次郎構文」が! 殺人兵器輸出が「平和国家の理念と整合」の意味不明