著者のコラム一覧
坂本昌也国際医療福祉大学 医学部教授 国際医療福祉大学 内科部長・地域連携部長

専門は糖尿病治療と心血管内分泌学。1970年、東京都港区生まれ。東京慈恵会医科大学卒。東京大学、千葉大学で心臓の研究を経て、現在では糖尿病患者の予防医学の観点から臨床・基礎研究を続けている。日本糖尿病学会、日本高血圧学会、日本内分泌学会の専門医・指導医・評議員を務める。

正常値で心臓病がない人も薬で血圧を下げると健康メリットあり

公開日: 更新日:

 心筋梗塞脳卒中など心血管疾患を患ったことがある人や、糖尿病、高血圧脂質異常症といった心血管疾患の発症リスクが高い人は、「血圧管理」を厳格に行わなければなりません。では、血圧はどれくらいまで下げるべきか? これに関しては近年、さまざまな研究結果が発表されています。

 有名な研究に、米国で行われた大規模臨床試験SPRINT研究があります。それまでは、フラミンガム研究などの観察研究で、収縮期血圧(上の血圧)が120㎜Hg以上から心血管疾患が増えてくることが明らかにされていました。

 しかし、降圧薬治療で120㎜Hgまで下げることに関しては多くの議論があり、中でも高齢者に関しては血圧をあまり下げない方がいいという意見が少なくありませんでした。

 SPRINT研究(2015年発表)では、米国立心肺血液研究所(NHLBI)が、収縮期血圧を従来の140㎜Hg未満まで下げた群と、120㎜Hg未満まで下げた群に分け、心筋梗塞や脳卒中などのリスクを調べました。その結果、120㎜Hg未満まで下げた方が心血管疾患の発症リスクが低いということが分かったのです。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    米倉涼子“自宅ガサ入れ”報道の波紋と今後…直後にヨーロッパに渡航、帰国後はイベントを次々キャンセル

  2. 2

    「えげつないことも平気で…」“悪の帝国”ドジャースの驚愕すべき強さの秘密

  3. 3

    彬子さま三笠宮家“新当主”で…麻生太郎氏が気を揉む実妹・信子さま「母娘の断絶」と「女性宮家問題」

  4. 4

    アッと驚く自公「連立解消」…突っぱねた高市自民も離脱する斉藤公明も勝算なしの結末

  5. 5

    ヤクルト池山新監督の「意外な評判」 二軍を率いて最下位、その手腕を不安視する声が少なくないが…

  1. 6

    新型コロナワクチン接種後の健康被害の真実を探るドキュメンタリー映画「ヒポクラテスの盲点」を製作した大西隼監督に聞いた

  2. 7

    違法薬物で逮捕された元NHKアナ塚本堅一さんは、依存症予防教育アドバイザーとして再出発していた

  3. 8

    大麻所持の清水尋也、保釈後も広がる波紋…水面下で進む"芋づる式逮捕"に芸能界は戦々恐々

  4. 9

    “行間”を深読みできない人が急増中…「無言の帰宅」の意味、なぜ分からないのか

  5. 10

    万博協会も大阪府も元請けも「詐欺師」…パビリオン工事費未払い被害者が実名告発