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中川恵一東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授

1960年生まれ。東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授。すべてのがんの診断と治療に精通するエキスパート。がん対策推進協議会委員も務めるほか、子供向けのがん教育にも力を入れる。「がんのひみつ」「切らずに治すがん治療」など著書多数。

ワクチンの積極的勧奨再開へ…子宮頸がん検診が20歳で始まる意味

公開日: 更新日:

 HPVワクチンをご存じですか。HPVは、ヒトパピローマウイルスを英語にした頭文字で、子宮頚がんの原因となるウイルスです。

 その感染を防ぐワクチンは2013年に定期接種化されましたが、副反応問題の拡大で、接種の積極的勧奨はわずか2カ月で中止。以来、接種は事実上ストップしていました。

 その後、接種と副反応に関連がないことが分かり、厚労省はこのほど積極的勧奨の再開を検討。それに合わせて、日本産科婦人科学会は6日、定期接種の対象を当面、高校3年生まで広げるよう厚労相に要望書を提出したのです。

 女性を守るがん対策の点で、この動きは見逃せません。HPVワクチンの接種対象は、小6から高1までの女子。それを2年延長するのは、中止されていた8年間に接種していない人の接種を少しでも促すのが狙いでしょう。

 このウイルスは、セックスが媒介します。男性が感染すると、尖圭コンジローマや陰茎がん、肛門がんなどになり、男女に共通するのは中咽頭がんです。このウイルスが喉に影響を及ぼすのは、オーラルセックスの定着と関係しています。

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