著者のコラム一覧
坂本昌也国際医療福祉大学 医学部教授 国際医療福祉大学 内科部長・地域連携部長

専門は糖尿病治療と心血管内分泌学。1970年、東京都港区生まれ。東京慈恵会医科大学卒。東京大学、千葉大学で心臓の研究を経て、現在では糖尿病患者の予防医学の観点から臨床・基礎研究を続けている。日本糖尿病学会、日本高血圧学会、日本内分泌学会の専門医・指導医・評議員を務める。

血圧は「ちょっとだけ高い」でも腎臓病のリスクが高くなる

公開日: 更新日:

 日本では高血圧と診断されるのは上140以上、下90以上で、140/90未満は正常血圧となります。循環器病のリスクが最も低い至適血圧は120/80未満で、130~139/85~89は「高血圧ではないが、要注意」である正常高値血圧。ですから、この中国の研究結果では、正常高値血圧までいかない「至適血圧より高い」人も、慢性腎臓病の発症リスクが高いということになります。

 同じく2016年にイタリア・ナポリ大学が発表した研究結果では、高血圧ですでにかかっている慢性腎臓病が悪化する危険性があるとの内容。正常高値高血圧の人は、慢性腎臓病の悪化リスクが1.19倍上がるというのです。

 さらに、腎臓病でない人4万3300人を調査した研究では、上の血圧が120を超えると慢性腎臓病が増え、上の血圧が10上がるごとに慢性腎臓病のリスクが6%増えるという結果でした。

 海外のデータが日本人にそのまま当てはまらない可能性はあるとはいえ、これら複数の研究結果を見逃すわけにはいきません。「血圧がちょっとだけ高い」であっても、腎臓病を発症しないために、対策が必要なことが理解できたでしょうか?

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