ワクチン接種と治療法の整備が進み、重症化での入院や死亡が減っている=新型コロナ最前線

公開日: 更新日:

 酸素飽和度が95%を下回るなど低酸素血症を来している中等症~重症の入院患者の治療は、従来と同じく、サイトカインの暴走をコントロールしながら炎症を抑えるリウマチ治療薬の「トシリズマブ」(一般名)の投与が行われ、さらに抗ウイルス薬の「レムデシビル」(同)と、過剰な免疫反応を抑えるリウマチ治療薬の「バリシチニブ」(同)を使用する。

 米国の研究報告などから、今後はトシリズマブかバリシチニブのどちらか一方を投与するケースが主流になる可能性もあるというが、江戸川病院グループでは現時点で3剤が投与されている。これに加え、血栓の形成によって起こる合併症を予防するために抗凝固薬が使われる。

「さらに、抗原定量検査でウイルス量が50(ピコグラム・パー/ミリリットル)程度に減った段階で、免疫反応や炎症を抑制するステロイド薬の『デキサメタゾン』(同)を投与します。ウイルスが多い初期に使うと、ウイルスが減るスピードが落ちてしまうので、ウイルス量が減った段階で使うことが重要です」

 ワクチン接種と治療法の整備によって、重症化して入院したり、死亡する患者は大幅に減ってきている。

 今冬に予想されている第6波を乗り切るためにも、「ワクチン接種は大前提」だという。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    参政党・神谷宗幣代表の「質問主意書」がヤバすぎる! トンデモ陰謀論どっぷり7項目に政府も困惑?

  2. 2

    7代目になってもカネのうまみがない山口組

  3. 3

    福山雅治のフジ「不適切会合」出席が発覚! “男性有力出演者”疑惑浮上もスルーされ続けていたワケ

  4. 4

    松井秀喜氏タジタジ、岡本和真も困惑…長嶋茂雄さん追悼試合のウラで巨人重鎮OBが“異例の要請”

  5. 5

    文春が報じた中居正広「性暴力」の全貌…守秘義務の情報がなぜこうも都合よく漏れるのか?

  1. 6

    フジテレビ「不適切会合」出席の福山雅治が連発した下ネタとそのルーツ…引退した中居正広氏とは“同根”

  2. 7

    打者にとって藤浪晋太郎ほど嫌な投手はいない。本人はもちろん、ベンチがそう割り切れるか

  3. 8

    清原果耶は“格上げ女優”の本領発揮ならず…「初恋DOGs」で浮き彫りになったミスキャスト

  4. 9

    選管議論で総裁選前倒しでも「石破おろし」ならず? 自民党内に漂い始めた“厭戦ムード”の謎解き

  5. 10

    収束不可能な「広陵事件」の大炎上には正直、苛立ちに近い感情さえ覚えます