著者のコラム一覧
石原藤樹「北品川藤クリニック」院長

信州大学医学部医学科大学院卒。同大学医学部老年内科(内分泌内科)助手を経て、心療内科、小児科研修を経て、1998年より「六号通り診療所」所長を務めた。日本プライマリ・ケア学会会員。日本医師会認定産業医・同認定スポーツ医。糖尿病協会療養指導医。

寝たきり予防の“切り札”は友達! 米国の内科専門誌で報告

公開日: 更新日:

 日本は超高齢化社会となり、高齢で一人暮らしの世帯が急増しています。一人暮らしの高齢者は、脳卒中心筋梗塞の予後が悪く、うつ病などの精神的な病気のリスクも高く、不慮の死も多いことが知られています。つまり、高齢者の一人暮らしは、それ自体が大きな健康リスクなのです。クリニックで往診を依頼されるケースでも、その多くが一人暮らしの高齢者の体調不良です。

 それでは、すべての一人暮らしの高齢者が危険かというと、そうも言い切れない部分があります。同じ一人暮らしでも、本当の天涯孤独という人もいれば、自由が好きなので一人で暮らしているけれど、困った時には助けてくれる友達も親戚も近くにたくさんいる、というような人もいるからです。

 今年の米国医師会の内科専門誌に、その問題を検証した論文が掲載されています。アメリカにおいて、65歳以上の一人暮らしの高齢者を、何かあったら助けてくれる親戚や友達がいるかどうかで分けて分析したところ、自立した生活が困難になって老人ホームに入るリスクは、親戚や友達がいない高齢者の方が高くなっていました。そして、病気で入院したり重い病気にかかったりした場合には、そのリスクはより高いものになっていたのです。

 一人暮らしの高齢者にとって、友達は寝たきり予防の“切り札”といってもよさそうです。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ドジャース「佐々木朗希放出」に現実味…2年連続サイ・ヤング賞左腕スクーバル獲得のトレード要員へ

  2. 2

    国分太一問題で日テレの「城島&松岡に謝罪」に関係者が抱いた“違和感”

  3. 3

    ギャラから解析する“TOKIOの絆” 国分太一コンプラ違反疑惑に松岡昌宏も城島茂も「共闘」

  4. 4

    片山さつき財務相の居直り開催を逆手に…高市首相「大臣規範」見直しで“パーティー解禁”の支離滅裂

  5. 5

    ドジャース佐々木朗希の心の瑕疵…大谷翔平が警鐘「安全に、安全にいってたら伸びるものも伸びない」

  1. 6

    小林薫&玉置浩二による唯一無二のハーモニー

  2. 7

    森田望智は苦節15年の苦労人 “ワキ毛の女王”経てブレーク…アラサーで「朝ドラ女優」抜擢のワケ

  3. 8

    臨時国会きょう閉会…維新「改革のセンターピン」定数削減頓挫、連立の“絶対条件”総崩れで手柄ゼロ

  4. 9

    阪神・佐藤輝明をドジャースが「囲い込み」か…山本由伸や朗希と関係深い広告代理店の影も見え隠れ

  5. 10

    阪神・才木浩人が今オフメジャー行きに球団「NO」で…佐藤輝明の来オフ米挑戦に大きな暗雲