著者のコラム一覧
石原藤樹「北品川藤クリニック」院長

信州大学医学部医学科大学院卒。同大学医学部老年内科(内分泌内科)助手を経て、心療内科、小児科研修を経て、1998年より「六号通り診療所」所長を務めた。日本プライマリ・ケア学会会員。日本医師会認定産業医・同認定スポーツ医。糖尿病協会療養指導医。

人はなぜ夜に甘いものを食べてしまうのか 脳科学専門誌で報告

公開日: 更新日:

 夜遅く、あるいは寝る前に甘い物やカロリーの高いものを食べると、次の日の朝は胃もたれがしますし、夜はカロリーを消費しないので、内臓脂肪の増加や肥満の原因になります。そんなことは分かっているが、それでもつい食べてしまう……という人は多いのではないでしょうか? これはただ我慢が足りないだけでしょうか? いえ、実は科学的な理由がありそうなのです。

 2016年の脳科学の専門誌に興味深い研究結果が報告されています。

 15人の健康女性に、昼と夜とで時間を変えて、甘いお菓子などの写真と野菜などの写真を見せ、脳の反応を機能的MRIという最新の検査でチェックします。すると、時間にかかわらず野菜などより甘いお菓子の方を好むような反応が脳で記録されました。

 昼と比べて夜では、脳の一部の反応が少し弱くなっていて、食べた時の満足度が低いことと関連していると思われました。食欲について質問をすると、お腹の減り方は昼でも夜でも違いはありませんでしたが、食べたいと思う気持ちは明らかに夜の方が強くなっていました。

 つまり、食欲をコントロールする働きが夜には弱くなっていて、甘いお菓子などをよりおいしいと思う本能が、刺激されやすくなっているようなのです。

 夜に甘い物が食べたくなるのは、誰もが持っている脳の働きのせいであるようです。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ドジャース佐々木朗希に向けられる“疑いの目”…逃げ癖ついたロッテ時代はチーム内で信頼されず

  2. 2

    ドジャース佐々木朗希の離脱は「オオカミ少年」の自業自得…ロッテ時代から繰り返した悪癖のツケ

  3. 3

    備蓄米報道でも連日登場…スーパー「アキダイ」はなぜテレビ局から重宝される?

  4. 4

    上白石萌音・萌歌姉妹が鹿児島から上京して高校受験した実践学園の偏差値 大学はそれぞれ別へ

  5. 5

    “名門小学校”から渋幕に進んだ秀才・田中圭が東大受験をしなかったワケ 教育熱心な母の影響

  1. 6

    大阪万博“唯一の目玉”水上ショーもはや再開不能…レジオネラ菌が指針値の20倍から約50倍に!

  2. 7

    今秋ドラフト候補が女子中学生への性犯罪容疑で逮捕…プロ、アマ球界への小さくない波紋

  3. 8

    星野源「ガッキーとの夜の幸せタイム」告白で注目される“デマ騒動”&体調不良説との「因果関係」

  4. 9

    女子学院から東大文Ⅲに進んだ膳場貴子が“進振り”で医学部を目指したナゾ

  5. 10

    “貧弱”佐々木朗希は今季絶望まである…右肩痛は原因不明でお手上げ、引退に追い込まれるケースも