真冬の睡眠 寝室温度「18度以上」をキープしないと健康トラブルにつながる

公開日: 更新日:

 国土交通省の調査によると、冬の居間室温が18度未満の住宅では、LDL(悪玉)コレステロール値が1.6倍高くなり、心電図の異常所見も1.9倍増えることがわかっている。また、英国の研究では、12度以下になると血圧上昇や心血管疾患のリスクが高まるとされている。WHO(世界保健機関)も冬の最低室内温度は「18度以上」を強く勧告している。

「冬に室温が低いことで布団内の温度が下がりすぎると、体は深部体温を上げようとして活動時や緊張状態で活発になる交感神経が優位になり、睡眠の質が下がってしまいます。さらに交感神経が優位になっている時間が長くなれば、神経伝達物質のアドレナリンやストレスホルモンのコルチゾールが多量に分泌されます。すると、血管、心臓、脳に大きな負担がかかり、高血圧心筋梗塞脳卒中といった病気の発症リスクが上がってしまうのです。内分泌系や免疫系にも支障を来し、糖尿病うつ病などさまざまな病気が起こりやすくなります」

 また、冬の室温が低い環境では布団内の温度変化も大きくなり、血管の拡張と収縮が繰り返されることで動脈硬化が進行しやすくなる。すると、脳の老化も進んでいく。「先ほどの国土交通省の調査に携わっている慶応大の研究では、冬の室温が18度未満の寒い住宅から5度上げて暖かい環境にするだけで、脳の神経線維の質などで評価される脳年齢を10歳若く保てることがわかっています。室温が低い環境で、布団内の温度も低い状態のまま長期間にわたって就寝することを続けていると、脳の機能にも悪影響があるのです」

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    上白石萌音・萌歌姉妹が鹿児島から上京して高校受験した実践学園の偏差値 大学はそれぞれ別へ

  2. 2

    大谷 28年ロス五輪出場が困難な「3つの理由」とは?

  3. 3

    学力偏差値とは別? 東京理科大が「MARCH」ではなく「早慶上智」グループに括られるワケ

  4. 4

    ドジャース大谷の投手復帰またまた先送り…ローテ右腕がIL入り、いよいよ打線から外せなくなった

  5. 5

    よく聞かれる「中学野球は硬式と軟式のどちらがいい?」に僕の見解は…

  1. 6

    備蓄米報道でも連日登場…スーパー「アキダイ」はなぜテレビ局から重宝される?

  2. 7

    進次郎農相の「500%」発言で抗議殺到、ついに声明文…“元凶”にされたコメ卸「木徳神糧」の困惑

  3. 8

    長嶋茂雄さんが立大時代の一茂氏にブチ切れた珍エピソード「なんだこれは。学生の分際で」

  4. 9

    (3)アニマル長嶋のホームスチール事件が広岡達朗「バッドぶん投げ&職務放棄」を引き起こした

  5. 10

    米スーパータワマンの構造的欠陥で新たな訴訟…開発グループ株20%を持つ三井物産が受ける余波