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永田宏前長浜バイオ大学コンピュータバイオサイエンス学科教授

筑波大理工学研究科修士課程修了。オリンパス光学工業、KDDI研究所、タケダライフサイエンスリサーチセンター客員研究員、鈴鹿医療科学大学医用工学部教授を歴任。オープンデータを利用して、医療介護政策の分析や、医療資源の分布等に関する研究、国民の消費動向からみた健康と疾病予防の解析などを行っている。「血液型 で分かるなりやすい病気なりにくい病気」など著書多数。

感染症が地域の血液型を淘汰した? マラリアやコレラが証明

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 新型コロナと血液型の関係も、この流れに沿って明らかになってきたのです。

 ただ残念なことに、日本は1970年代に登場した血液型性格診断が災いして、病気と血液型の研究は極めて低調のままです。血液型と性格が相関するという科学的根拠はありませんが、日本人の間では広く信じられています。そのため逆に、輸血と臓器移植以外で血液型を持ち出すことは、日本の学会ではタブーになってしまいました。

 今日に至っても、公式の場で血液型の話を口にすると、エセ科学、トンデモ科学のレッテルを貼られかねません。そのため日本人の病気と血液型の関係は、ほとんど分かっていないのです。

 しかし世界では、血液型と病気の関係が続々と解明されています。血液型と関連が深い感染症は、マラリアとコレラのほかに、天然痘、結核、インフルエンザ、ノロウイルスによる胃腸炎、大腸菌O157感染症、ペスト、ヘリコバクター・ピロリ(ピロリ菌)感染症などがあります。さらに一部のがんや、脳梗塞心筋梗塞などのリスクも、血液型によって違ってくることが分かってきました。

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