著者のコラム一覧
池田和彦新宮アゼリア薬局・管理薬剤師

1973年、広島県広島市生まれ。第一薬科大学薬学部薬剤学科卒。広島佐伯薬剤師会会長。広島市立学校薬剤師、広島市地域ケアマネジメント会議委員などを兼務。新型コロナワクチンの集団接種業務をはじめ、公衆衛生に関する職務にも携わる。

胃腸が弱い人の腰痛には多くの生薬からなる「五積散」が良いケースも

公開日: 更新日:

 これまで、腰痛に対して用いられる漢方薬をいくつか紹介してきましたが、今回は「五積散(ゴシャクサン)」についてお話しします。

 構成生薬は蒼朮(ソウジュツ)、陳皮(チンピ)、当帰(トウキ)、半夏(ハンゲ)、茯苓(ブクリョウ)、甘草(カンゾウ)、桔梗(キキョウ)、桂皮(ケイヒ)、厚朴(コウボク)、芍薬(シャクヤク)、生姜(ショウキョウ)、川芎(センキュウ)、大棗(タイソウ)、白芷(ビャクシ)、麻黄(マオウ)という15種類をベースにしています。これに、枳実(キジツ)、白朮(ビャクジュツ)、枳穀(キコク)、乾姜(カンキョウ)などを加えた方剤です。

 東洋医学でいう「寒・食・気・血・痰」がそれぞれ滞っている状態(積滞)の改善を目的としていることから「五積」という名がついています。体を温める、胃腸に良い、痛みをとる、血行を良くする、無駄な水分を取り除くといったさまざまな生薬が配合されていることから応用範囲が広く、腰痛、関節痛、座骨神経痛、頭痛なども改善するのです。

 非常に多くの生薬から成るため効果を感じるには少し時間が必要かもしれませんが、特に体に冷感があり、気温の低下や湿気によって調子を崩すような状態に向いています。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    高画質は必要ない? 民放各社が撤退検討と報じられた「BS4K」はなぜ失敗したのですか?

  2. 2

    気温50度の灼熱キャンプなのに「寒い」…中村武志さんは「死ぬかもしれん」と言った 

  3. 3

    広陵暴力問題の闇…名門大学の推薦取り消し相次ぎ、中井監督の母校・大商大が「落ち穂拾い」

  4. 4

    巨人阿部監督はたった1年で崖っぷち…阪神と藤川監督にクビを飛ばされる3人の監督

  5. 5

    (4)指揮官が密かに温める虎戦士「クビ切りリスト」…井上広大ら中堅どころ3人、ベテラン2人が対象か

  1. 6

    U18日本代表がパナマ撃破で決勝進出!やっぱり横浜高はスゴかった

  2. 7

    日本ハム・レイエスはどれだけ打っても「メジャー復帰絶望」のワケ

  3. 8

    志村けんさん急逝から5年で豪邸やロールス・ロイスを次々処分も…フジテレビ問題でも際立つ偉大さ

  4. 9

    佐々木朗希いったい何様? ロッテ球団スタッフ3人引き抜きメジャー帯同の波紋

  5. 10

    (2)事実上の「全権監督」として年上コーチを捻じ伏せた…セVでも今オフコーチ陣の首筋は寒い