「顎関節症」は放置してはいけない 元に戻らなくなる可能性も

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 顎関節症の症状が表れたとしても、命に関わったり、日常生活が送れなくなるわけではない。しかし、口がほとんど開けられなくなって食事に苦労したり、頻繁にこめかみのあたりが痛むなどして生活の質は大きく落ちてしまう。

「顎関節症で口を大きく開けられない場合、そのまま放置していると、成人では半年ほどで外側翼突筋の上頭が萎縮して伸びなくなり、固まって元に戻らなくなる恐れがあります。口を開けて指が縦に3本入れば大きく開けられているといえますが、1本分しか開けられない場合は、その段階でしっかり処置を行うことをおすすめします」

■セルフケアが重要

 顎関節症の種類は、大きく「咀嚼するときに働く筋肉の炎症」と「顎の関節内部の異常」に分けられる。

 筋肉に問題があって痛みが出ている場合、まずは「セルフケア」での改善を目指すケースが多いという。

「咀嚼するときに働く筋肉に負担がかかり、耐えられなくなったときに症状が表れます。咀嚼筋のうち咬筋にトラブルがある場合は、筋肉に負担がかからないような生活習慣の改善を指導します。日頃から筋肉を温めてほぐしたり、硬いものを食べたり、ガムなどを長時間噛むのを控えてもらいます。無意識に歯を噛み合わせているTCHがある人には、『食いしばらない』『歯を離す』などと記した付箋紙を自宅や職場のパソコン、デスク周り、テレビ、スマホといった目につきやすい場所やツールに貼り付けて意識の改善を促すのです。さらに、顎の筋肉を指でほぐすマッサージ、口を開けて指で支えるストレッチなどのセルフケアを実践してもらいます」

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