悲劇を生まないために「延命」「緩和」の意味を知っておく 在宅診療の名医が語る

公開日: 更新日:

「緩和」もまた医師と患者と家族がその意味を共有すべき言葉だ。

「在宅診療の現場では、末期がんの患者さんに対して『緩和医療』をしっかりと行います。それはひとつの医療技術の集大成であり、その高度の医療を患者のために精いっぱい提供しているのです。ところが、患者さんやその家族の方は痛みや苦しみを『緩和』する治療を、なぜか延命を諦めること、治す努力をやめることだと考えてしまう。在宅で緩和に携わる医師のほぼすべてが緩和をしながらも可能な限り『延命』につなげたいと思っています。抗がん剤手術が延命につながることもあれば、それが単に患者を苦しめて命を縮めてしまうことも少なくありません。積極的治療をしないという選択が『延命』につながることもあることをわかって欲しい」

 誰もが「限られた命」の中で生きる。患者はもちろん、医師も家族もそれをどのようにステキに「延命」できるのか、妥協せずに考えることが大切なのである。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    「おまえになんか、値がつかないよ」編成本部長の捨て台詞でFA宣言を決意した

  2. 2

    【原田真二と秋元康】が10歳上の沢田研二に提供した『ノンポリシー』のこと

  3. 3

    カーリング女子フォルティウスのミラノ五輪表彰台は23歳リザーブ小林未奈の「夜活」次第

  4. 4

    3度目の日本記録更新 マラソン大迫傑は目的と手段が明確で“分かりやすい”から面白い

  5. 5

    国分太一“追放”騒動…日テレが一転して平謝りのウラを読む

  1. 6

    福山雅治&稲葉浩志の“新ラブソング”がクリスマス定番曲に殴り込み! 名曲「クリスマス・イブ」などに迫るか

  2. 7

    「えげつないことも平気で…」“悪の帝国”ドジャースの驚愕すべき強さの秘密

  3. 8

    松岡昌宏も日テレに"反撃"…すでに元TOKIO不在の『ザ!鉄腕!DASH!!』がそれでも番組を打ち切れなかった事情

  4. 9

    年末年始はウッチャンナンチャンのかつての人気番組が放送…“復活特番”はどんなタイミングで決まるの?

  5. 10

    査定担当から浴びせられた辛辣な低評価の数々…球団はオレを必要としているのかと疑念を抱くようになった