「蕁麻疹」治療最前線 非常に効果の高い新薬も登場した

公開日: 更新日:

「初診では時間をかけて問診をし、アレルギーが疑われれば原因物質を調べる検査を行います。一方、原因特定が困難と判断すれば検査はせず、薬の治療に進みます」

 原因を特定できる可能性が低いのに、「あれが原因? いや別の?」とさまざまな検査を行うのは、推奨されていない。

 治療は段階的に行われる。第1ステップが、抗ヒスタミン薬。眠気が少ない第2世代抗ヒスタミンを使う。

「2週間程度様子を見て効果が不十分なら、薬の量を増やすか、別の抗ヒスタミン薬に替える、または追加する。これで2週間程度様子を見ます」

■治療の第2ステップで6~7割が改善

 それでも効果不十分なら、抗ヒスタミン薬に、ロイコトリエン拮抗薬、H2拮抗薬(H2ブロッカー)、ジアフェニルスルホンを補助的に用いる。これが第2ステップだ。ロイコトリエン拮抗薬は鼻炎に、H2拮抗薬は胃痛や胃もたれに使われる薬で、蕁麻疹には保険適用外となる。

「『抗ヒスタミン薬倍量+第2ステップ』で6~7割くらいが改善します。これでコントロール不良の患者さんには、第3ステップとして、免疫抑制剤シクロスポリン、経口ステロイド薬、2017年に慢性特発性蕁麻疹に保険適用となった生物学的製剤オマリズマブが選択されます」

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ドジャース大谷翔平32歳「今がピーク説」の不穏…来季以降は一気に下降線をたどる可能性も

  2. 2

    高市政権の物価高対策はもう“手遅れ”…日銀「12月利上げ」でも円安・インフレ抑制は望み薄

  3. 3

    元日本代表主将DF吉田麻也に来季J1復帰の長崎移籍説!出場機会確保で2026年W杯参戦の青写真

  4. 4

    NHK朝ドラ「ばけばけ」が途中から人気上昇のナゾ 暗く重く地味なストーリーなのに…

  5. 5

    京浜急行電鉄×京成電鉄 空港と都心を結ぶ鉄道会社を比較

  1. 6

    ドジャース佐々木朗希の心の瑕疵…大谷翔平が警鐘「安全に、安全にいってたら伸びるものも伸びない」

  2. 7

    【時の過ぎゆくままに】がレコ大歌唱賞に選ばれなかった沢田研二の心境

  3. 8

    「おまえもついて来い」星野監督は左手首骨折の俺を日本シリーズに同行させてくれた

  4. 9

    ドジャース首脳陣がシビアに評価する「大谷翔平の限界」…WBCから投打フル回転だと“ガス欠”確実

  5. 10

    巨人が李承燁コーチ就任を発表も…OBが「チグハグ」とクビを傾げるFA松本剛獲得の矛盾