「幸せな最期」を迎えるためにはどうすればいいのか?看取りの名医が指南

公開日: 更新日:

 終末期において、「せん妄」などの精神的な不安定さが出る患者もいる。中には、心の底に秘めた昔の彼女の名前や苦しい体験などを口走るのではないか、と心配する人もいる。しかし、そうしたケースはほとんどないという。

「せん妄状態の人の口から出る言葉の多くは、肉体的な痛みや倦怠感についてで、精神的な苦痛についての事柄はほとんどありません。医師によっては、せん妄が出ると薬の副作用を疑い、麻薬の量を減らしたりしますが、意外なことに逆効果になることがあります。痛みや苦しみを取るための麻薬やステロイドは、適量を使うと他の薬に比べて副作用もほとんどない。私は積極的に使うべきだと考えています」

 最期の数週間において、薬で痛みを「緩和」すると、眠っている時間が長くなる。それでも、痛みを取らずに苦痛のあまり「その人らしさ」を失わせるよりも、よほどいいと山中医師は言う。

「痛みや苦しみを取ることで、最期の時間まで家族や介護職種の方とも『すてきな時間』を過ごすことができるようになるのです」


 最期の時間を後悔なく過ごすには最期の時間までの時間軸を医師らに確認し、それを受け止める心の準備をすることが大切だ。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    高画質は必要ない? 民放各社が撤退検討と報じられた「BS4K」はなぜ失敗したのですか?

  2. 2

    大手家電量販店の創業家がトップに君臨する功罪…ビック、ノジマに続きヨドバシも下請法違反

  3. 3

    落合監督は投手起用に一切ノータッチ。全面的に任せられたオレはやりがいと緊張感があった

  4. 4

    自民党総裁選の“本命”小泉進次郎氏に「不出馬説」が流れた背景

  5. 5

    「二股不倫」永野芽郁の“第3の男”か? 坂口健太郎の業界評…さらに「別の男」が出てくる可能性は

  1. 6

    今思えばあの時から…落合博満さんが“秘密主義”になったワケ

  2. 7

    世界陸上「前髪あり」今田美桜にファンがうなる 「中森明菜の若かりし頃を彷彿」の相似性

  3. 8

    三谷幸喜がスポーツ強豪校だった世田谷学園を選んだワケ 4年前に理系コースを新設した進学校

  4. 9

    広陵暴力問題の闇…名門大学の推薦取り消し相次ぎ、中井監督の母校・大商大が「落ち穂拾い」

  5. 10

    佐々木朗希いったい何様? ロッテ球団スタッフ3人引き抜きメジャー帯同の波紋