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青島周一勤務薬剤師/「薬剤師のジャーナルクラブ」共同主宰

2004年城西大学薬学部卒。保険薬局勤務を経て12年9月より中野病院(栃木県栃木市)に勤務。“薬剤師によるEBM(科学的エビデンスに基づく医療)スタイル診療支援”の確立を目指し、その実践記録を自身のブログ「薬剤師の地域医療日誌」などに書き留めている。

泣き叫ぶ赤ちゃんを寝かしつけるには「5分間の抱っこ歩き」が有効

公開日: 更新日:

 赤ちゃんが泣きやまず、なかなか寝つかないことは、親御さんにとっても大きなストレスでしょう。これまで、赤ちゃんを寝かしつけるには、おんぶや抱っこをしたり、ゆりかごに乗せて揺らすといった方法が伝統的に用いられてきました。

 しかし、このような方法が本当に効果的な寝かしつけ方なのかについては研究データが限られていました。

 そのような中、赤ちゃんを寝かしつける方法について検討した研究論文が、生物化学の専門誌「カレントバイオロジー」の電子版に2022年9月13日付で掲載されました。

 日本とイタリアで行われたこの研究では、生後0~7カ月の乳児21人(平均3.34カ月)とその母親(同35.81歳)が対象となりました。母親は、自分の赤ちゃんを「抱っこして歩く」「抱っこして座る」「ベビーベッドに置く」「ベビーカーに乗せて動かす」の4つの動作をランダムに行い、赤ちゃんの状態が比較されています。

 その結果、泣いている赤ちゃんは「抱っこして歩く」「ベビーカーに乗せて動かす」の動作をしたときに泣きやみました。一方で、「抱っこして座る」「ベビーベッドに置く」の動作では泣きやみませんでした。また、泣いている赤ちゃんを5分間にわたり「抱っこして歩く」と全員が泣きやみ、そのうち45.5%は眠り始めました。さらに、寝ついた赤ちゃんは5分以内にベッドに置くと眠りから覚める傾向にあった一方で、寝ついてから8分たってベッドに置かれていた赤ちゃんは眠りから覚めることなく寝続けました。

 論文著者らは「赤ちゃんが泣いているときは、抱っこして歩く動作を5分続け、寝ついてから8分待ってベッドに置くと、さらに深く眠る可能性が高い」と結論しています。

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