著者のコラム一覧
青島周一勤務薬剤師/「薬剤師のジャーナルクラブ」共同主宰

2004年城西大学薬学部卒。保険薬局勤務を経て12年9月より中野病院(栃木県栃木市)に勤務。“薬剤師によるEBM(科学的エビデンスに基づく医療)スタイル診療支援”の確立を目指し、その実践記録を自身のブログ「薬剤師の地域医療日誌」などに書き留めている。

離乳食を早めに与えると赤ちゃんの夜泣きが少なくなる?

公開日: 更新日:

 赤ちゃんは生後6カ月までは母乳(ミルク)による栄養摂取が一般的です。しかし、英国では「母親の75%が生後5カ月になる前に離乳食を導入した」との調査結果が報告されています。その理由に26%の母親が「夜泣き」をあげていたそうです。

 そんな中、早期の離乳食開始と乳児の睡眠への影響を検討した研究論文が、米国医師会誌の小児専門誌電子版に2018年7月9日付で掲載されました。

 この研究は、乳児を対象に離乳食と食物アレルギーの関連を検討した前向き研究のデータを再解析したものです。対象となったのは、妊娠37週以上で出生し、3カ月まで母乳のみで育った英国の健常乳児1303人でした。被験乳児は、母乳を継続しながら早期に離乳食を導入したグループと、6カ月まで母乳のみで育て、この期間中は離乳食の摂取を避ける標準導入グループの2つにランダムに振り分けられ、乳児の睡眠時間及び覚醒頻度、母親の深刻な睡眠関連問題が比較検討されました。

 解析の結果、6カ月時点での睡眠時間は、標準導入グループに比べて、早期導入グループで一晩あたり16・6分、統計的にも有意に長いことが示されました。一晩あたりの覚醒頻度は、標準導入グループで2・01回だったのに対し、早期導入グループは1・74回でした。さらに母親の深刻な睡眠関連問題は早期導入グループに比べ、標準導入グループで1・8倍多いという結果でした。

 早期の離乳食開始の是非については、専門家の間でも意見は分かれており、「小児肥満のリスクにつながるのではないか」との指摘もあるようです。この研究結果は、先行研究の二次的な解析のため、現時点では仮説として捉えておく方が無難かもしれません。

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