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中川恵一東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授

1960年生まれ。東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授。すべてのがんの診断と治療に精通するエキスパート。がん対策推進協議会委員も務めるほか、子供向けのがん教育にも力を入れる。「がんのひみつ」「切らずに治すがん治療」など著書多数。

大腸がんの罹患率や死亡率 生活習慣の影響は遺伝的影響を上回るのか?

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 さて、大腸がんの人種差についてご紹介しましょう。米国で人種ごとに大腸がんの罹患率や死亡率について調べた研究があります。それによると、黒人と白人で罹患率も死亡率も格差が大きいことが示されました。罹患率は黒人が白人に比べて20%高く、死亡率は同40%です。

 しかし、遺伝的に同一なアフリカの黒人は、少ない。一方、日本は今、大腸がんが急増していますが、少なかったころの日本人のうち、ハワイに移住した日本人は白人以上に大腸がんが多いと報告されました。

 大腸がんは生活習慣病的な一面があり、肉や脂っこい食事など欧米型の食生活が良くないことが分かってきました。そこに着目すると、人種差などを背景とする遺伝的な影響と悪い生活習慣の影響では、ひょっとすると後者の影響が大きいのかもしれません。

 さて、フランスでは、サッカーの代表選手と一般のフランス人を調べた研究があります。1968年から2015年までのデータをさかのぼり、後ろ向きに調べた研究です。その結果、サッカー選手は、一般国民に比べて全死亡率が31%低いことが分かりました。

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