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中川恵一東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授

1960年生まれ。東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授。すべてのがんの診断と治療に精通するエキスパート。がん対策推進協議会委員も務めるほか、子供向けのがん教育にも力を入れる。「がんのひみつ」「切らずに治すがん治療」など著書多数。

前立腺がんは遺伝子変異が関係?予防的摘出も W杯オランダ代表監督は放射線で克服

公開日: 更新日:

 サッカーW杯カタール大会が20日に開幕します。私は暁星小中高時代にサッカー部でしたから、大のサッカーファン。日本戦はもちろん、サッカー強豪国の試合がとても楽しみです。

 そんな中、注目しているのがオランダ代表のファンハール監督です。この春テレビ番組で前立腺がんを告白したことが話題になりました。2年前にがんが発覚すると、選手には内緒で昨年から治療をスタート。合宿中は夜中にキャンプを抜け出し、病院の裏口から入って、25回の放射線治療を終えたといいます。

 前立腺がんを根治できるのは手術と放射線で、治療成績はどちらも同等ですが、日本では手術偏重の時代が長く続いていました。最近は、放射線の治療実績が増え、東大病院でも2020年に手術を上回りました。

 従来、放射線の照射回数は40回前後でした。月曜から金曜までの週5回、2カ月の通院です。それが、1回の線量をアップさせることで回数が25回に減り、ピンポイントに照射できる定位放射線治療の登場で今や5回です。

 1回の照射時間は2分ほど。患者さんは服の着替えも必要なく、照射する寝台に寝ているだけ。あらかじめ計画された照射位置の微調整や寝台の調整などの時間を含めて入室から退室までわずか7分です。これなら仕事と治療の両立も難しくはなく、福岡や大阪から来られる方も珍しくありません。

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