医師が患者から教えてもらいたいこととは? 在宅診療の名医が語る

公開日: 更新日:

 医療機関によっては患者を「患者さま」と呼ぶ。医療はサービス業であり、百貨店やホテルと同じく敬称をつけるべきという考えが広がったことや、「患者さま」に続く言葉が丁寧な言葉遣いになる、との効果を狙ったものだと言われている。しかし、「お客さま扱い」された患者の中には、誤った権利意識やお客さま意識から「病気は医師が見つけるのが当然」と考えてだんまりを決め込み、診療の妨げになるケースもある。だが、最善の治療を受けるには患者も「病気を前にして共に闘う者」として医師が求める情報に応える必要がある。毎年在宅で200人を看取る、「しろひげ在宅診療所」の山中光茂院長に聞いた。

 ◇  ◇  ◇

「画像や検査だけでは、名医でも患者に合った薬の調整は難しい。適正な薬を出すには患者さんからの正確な情報が必要です。たとえば、発熱は体温計でわかりますが、どのような出方がするかはわからない。医師の対応は発熱以外の情報で変わることを患者さんは知るべきです」

 つまり、より良い治療を受けたければ、患者は「発熱がある」だけではなく、それに随伴する症状や熱が継続しているのか、上がったり下がったりしているのかなど、熱の出方も医師に伝える必要がある。どのような持病があるのか、アレルギーはどうかなど、自分自身の環境もしっかり伝えるのは言うまでもない。「発熱があれば、医師は一般的に感染症を疑います。しかし、無頓着な医師は発熱だけを根拠にするか、検査をしたとしても炎症反応だけを見て、抗生剤を『とりあえず』出してしまいます。これでは、がんやリウマチなど体に炎症を起こす疾患による発熱を見逃してしまう。それを避けるには患者がもっと情報を伝えなければなりません」

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    巨人がもしFA3連敗ならクビが飛ぶのは誰? 赤っ恥かかされた山口オーナーと阿部監督の怒りの矛先

  2. 2

    大山悠輔が“巨人を蹴った”本当の理由…東京で新居探し説、阪神に抱くトラウマ、条件格差があっても残留のまさか

  3. 3

    悠仁さまの筑波大付属高での成績は? 進学塾に寄せられた情報を総合すると…

  4. 4

    大山悠輔に続き石川柊太にも逃げられ…巨人がFA市場で嫌われる「まさかの理由」をFA当事者が明かす

  5. 5

    織田裕二がフジテレビと決別の衝撃…「踊る大捜査線」続編に出演せず、柳葉敏郎が単独主演

  1. 6

    ロッテ佐々木朗希は母親と一緒に「米国に行かせろ」の一点張り…繰り広げられる泥沼交渉劇

  2. 7

    ヤクルト村上宗隆と巨人岡本和真 メジャーはどちらを高く評価する? 識者、米スカウトが占う「リアルな数字」

  3. 8

    どうなる?「トリガー条項」…ガソリン補助金で6兆円も投じながら5000億円の税収減に難色の意味不明

  4. 9

    「天皇になられる方。誰かが注意しないと…」の声も出る悠仁さまの近況

  5. 10

    タイでマッサージ施術後の死亡者が相次ぐ…日本の整体やカイロプラクティック、リラクゼーションは大丈夫か?