著者のコラム一覧
名郷直樹「武蔵国分寺公園クリニック」名誉院長

「武蔵国分寺公園クリニック」名誉院長、自治医大卒。東大薬学部非常勤講師、臨床研究適正評価教育機構理事。著書に「健康第一は間違っている」(筑摩選書)、「いずれくる死にそなえない」(生活の医療社)ほか多数。

「コロナは風邪」論争の不毛 昔から解決できない問題に出口なし

公開日: 更新日:

「どうでもいいというわけではないが、そこまで広い範囲を考慮するのは私の役割ではなく、地域、市町村、あるいは都道府県、国が考えることではないですか」というのはどうか。しかしこれにだって反論はたやすい。

「それでは、国が『コロナは風邪でない』と言えばそれに従うんですね」というわけだ。それでも「いやいや、国がそう言ったところで、一人一人がどう考えるかは自由でしょう」ということになる。

 ここで強調したいのは、この議論のどちらに分があるかということではない。この議論にはキリがないということである。

 この反論の続きを考えてみればよい。いくらでも考えることができる。もし考えることができないとしたら、自分の確固たる意見があるという場合もあれば、自由に考えることができないというだけかもしれない。全体を考えるのはそもそも困難だ。

 コロナの議論の中で最終的にはどう考えるんだということになった時に、最終的にはよく分からないということが大部分だと思われる。

 前回指摘したように、コロナで持ち上がった問題の大部分は、繰り返し立ち現れているにもかかわらず、解決されないままの古くからある問題だからだ。

 判断を猶予する。これがコロナの問題を考えるために、最も重要なことかもしれない。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    「おまえになんか、値がつかないよ」編成本部長の捨て台詞でFA宣言を決意した

  2. 2

    【原田真二と秋元康】が10歳上の沢田研二に提供した『ノンポリシー』のこと

  3. 3

    カーリング女子フォルティウスのミラノ五輪表彰台は23歳リザーブ小林未奈の「夜活」次第

  4. 4

    3度目の日本記録更新 マラソン大迫傑は目的と手段が明確で“分かりやすい”から面白い

  5. 5

    国分太一“追放”騒動…日テレが一転して平謝りのウラを読む

  1. 6

    福山雅治&稲葉浩志の“新ラブソング”がクリスマス定番曲に殴り込み! 名曲「クリスマス・イブ」などに迫るか

  2. 7

    「えげつないことも平気で…」“悪の帝国”ドジャースの驚愕すべき強さの秘密

  3. 8

    松岡昌宏も日テレに"反撃"…すでに元TOKIO不在の『ザ!鉄腕!DASH!!』がそれでも番組を打ち切れなかった事情

  4. 9

    年末年始はウッチャンナンチャンのかつての人気番組が放送…“復活特番”はどんなタイミングで決まるの?

  5. 10

    査定担当から浴びせられた辛辣な低評価の数々…球団はオレを必要としているのかと疑念を抱くようになった