著者のコラム一覧
東敬一朗石川県・金沢市「浅ノ川総合病院」薬剤部主任。薬剤師

1976年、愛知県生まれの三重県育ち。摂南大学卒。金沢大学大学院修了。薬学博士。日本リハビリテーション栄養学会理事。日本臨床栄養代謝学会代議員。栄養サポートチーム専門療法士、老年薬学指導薬剤師など、栄養や高齢者の薬物療法に関する専門資格を取得。

塗り薬の「軟膏」と「クリーム」にははっきりした違いがある

公開日: 更新日:

 加齢とともに皮膚の水分量が減少することでかゆみを感じるようになり、塗り薬を使っている方は少なくありません。塗り薬には「軟膏」と「クリーム」がありますが、その違いを考えたことがあるでしょうか。もちろん色は違いますが、それだけではありません。今回は、身近なクスリである一方で意外と考えたことがない軟膏とクリームの違いについてお話しします。

 軟膏とクリームはいずれもベースとなる基剤があり、その中に本来のクスリの成分が混ざっている状態です。クスリの種類にもよりますが、じつは含まれている成分の量は微量で(微量で十分に効果が得られるということ)、皮膚に塗っている大部分は基剤ということになります。この基剤の違いが軟膏とクリームの違いです。

 軟膏の基剤は「油」です。油というとピンとこないかもしれませんが、正確には油性基剤といい、その代表的なものとしてワセリンがあります。油なので肌なじみが良く、刺激が少ないため肌の弱い人や傷のある部分にも使うことができます。皮膚を油でコーティングするような形になるため、本来のクスリの成分の効果に加えて皮膚の水分を保持する、いわゆる保湿効果も期待できます。デメリットとしては、油なのでどうしてもべたつきが出てしまうことでしょうか。ただ、これも薄く塗ることである程度回避できるのでデメリットというほどのものでもないかもしれません。

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