著者のコラム一覧
東敬一朗石川県・金沢市「浅ノ川総合病院」薬剤部主任。薬剤師

1976年、愛知県生まれの三重県育ち。摂南大学卒。金沢大学大学院修了。薬学博士。日本リハビリテーション栄養学会理事。日本臨床栄養代謝学会代議員。栄養サポートチーム専門療法士、老年薬学指導薬剤師など、栄養や高齢者の薬物療法に関する専門資格を取得。

年を取ったらクスリを見直した方がよい理由 代謝機能が低下

公開日: 更新日:

 ヒトは例外なく年を重ねていき、これを「加齢」といいます。そして、加齢とともに病気にかかる可能性が高くなるため、クスリを使わなければならなくなる場面も増えていきます。さらに、高齢になると複数の病気にかかる人も多くなるので、クスリの種類が増えるケースもあるでしょう。

 一方で、高齢になったらクスリとの付き合い方を見直したほうがよいといえます。一番大きな理由が、加齢に伴う身体機能の低下です。高齢者では、基本的に体のあらゆる機能が低下しています。運動など肉体的な機能はもちろんですが、肝臓、腎臓、心臓といった自分自身では実感しづらくて、目には見えない臓器の機能も同様です。

 体内に入ったクスリは、いずれ体の中から消えていきます。肝臓で分解(代謝)されて、便とともに体外に排泄(はいせつ)されるクスリはたくさんありますし、腎臓を通って尿とともに排泄されるクスリもあります。問題は、そういった“クスリに関連する機能”も、例外なく加齢に伴って低下してしまうことです。

 その場合、肝臓や腎臓の機能低下によってクスリが代謝・排泄されにくくなり、たくさんのクスリが体内に長期間とどまってしまうことになります。こうなると、クスリの効果が強く出すぎてしまったり、副作用のリスクが高まる原因となってしまうのです。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ドジャース佐々木朗希に向けられる“疑いの目”…逃げ癖ついたロッテ時代はチーム内で信頼されず

  2. 2

    ドジャース佐々木朗希の離脱は「オオカミ少年」の自業自得…ロッテ時代から繰り返した悪癖のツケ

  3. 3

    備蓄米報道でも連日登場…スーパー「アキダイ」はなぜテレビ局から重宝される?

  4. 4

    上白石萌音・萌歌姉妹が鹿児島から上京して高校受験した実践学園の偏差値 大学はそれぞれ別へ

  5. 5

    “名門小学校”から渋幕に進んだ秀才・田中圭が東大受験をしなかったワケ 教育熱心な母の影響

  1. 6

    大阪万博“唯一の目玉”水上ショーもはや再開不能…レジオネラ菌が指針値の20倍から約50倍に!

  2. 7

    今秋ドラフト候補が女子中学生への性犯罪容疑で逮捕…プロ、アマ球界への小さくない波紋

  3. 8

    星野源「ガッキーとの夜の幸せタイム」告白で注目される“デマ騒動”&体調不良説との「因果関係」

  4. 9

    女子学院から東大文Ⅲに進んだ膳場貴子が“進振り”で医学部を目指したナゾ

  5. 10

    “貧弱”佐々木朗希は今季絶望まである…右肩痛は原因不明でお手上げ、引退に追い込まれるケースも