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佐々木常雄東京都立駒込病院名誉院長

東京都立駒込病院名誉院長。専門はがん化学療法・腫瘍内科学。1945年、山形県天童市生まれ。弘前大学医学部卒。青森県立中央病院から国立がんセンター(当時)を経て、75年から都立駒込病院化学療法科に勤務。08年から12年まで同院長。がん専門医として、2万人以上に抗がん剤治療を行い、2000人以上の最期をみとってきた。日本癌治療学会名誉会員、日本胃癌学会特別会員、癌と化学療法編集顧問などを務める。

“診察待ち”で再会したかつての上長は3回目のがん手術を受けるという

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 そう言われれば、Fさんはたしか病院の建設だけではなく、人材集めや感染予防などのマニュアル作りにも積極的だった。隠れたすごい功労者だったなと思い出しました。ある新病院の設立にあたっては、院長候補としてある大学のM教授に白羽の矢が立った時、就任を説得されたひとりがFさんだったと、ずっと後になってから聞いたこともありました。

 Fさんが診察室から出てくると、今度はSさんの呼び出し器が鳴りました。

 Sさんの診察は15分ほどで終わり、診察室を出て会計に向かおうとしたところ、今度は知らない男性に呼び止められました。

「あなたは何時の予約でしたか?」

 Sさんは予約票を見せながら、「11時30分でしたよ」と答えました。すると男性は、「そうか、自分は12時の予定で、いまは12時半。やっぱり1時間遅れているのかな。もう30分くらい待つのかな。ここの先生は熱心でありがたいけど、診察に時間がかかるからね」と口にしていました。

 Sさんが会計のため受付に行くと、Fさんが手を上げて合図をしています。

 FさんとSさんは、連れだって駅に向かう道の途中、昔、一緒に入った食堂で、昼食をとることにしました。店内に入ってみると、新装されていて以前の面影はまったくありません。マスク越しに思わず2人は笑ってしまいました。

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