糖尿病で腎臓が悪くなったら眼科医の受診を検討すべし…欧米の生物医学専門紙に掲載

公開日: 更新日:

 この2つの目の疾患は糖尿病腎症の病期によって進行の程度が予測できるという。実際、最新のスイスの生物医学専門誌「Biomedicines」の糖尿病網膜症特集号には、このことについて独立行政法人地域医療機能推進機構「三島総合病院」眼科部長の鈴木幸久医師と、前出の清澤源弘院長との共同研究が掲載されている。

 研究は2型糖尿病の261人(男性143人、女性118人)の眼底所見とHbA1cの関係について調べたもの。結果、糖尿病の期間、平均HbA1c値、最高HbA1c値、および糖尿病腎症の病期と糖尿病網膜症の発症には有意な相関関係があったという。

 また、糖尿病網膜症の重症度と糖尿病の期間、平均HbA1c値、最高HbA1c値、糖尿病腎症の重症度にも相関関係があったことがわかった。さらには、糖尿病黄斑浮腫と糖尿病腎症の病期との相関関係もあったという。

 このことから糖尿病腎症の病期は糖尿病網膜症や糖尿病黄斑浮腫の発症に相関があり、腎機能の低下は糖尿病網膜症の発症に関係することがわかったという。論文執筆者の鈴木幸久医師は、「糖尿病になると目の病気を合併しやすいことは知られていますが、糖尿病患者の多くは内科にしか通院しない人が多いため、糖尿病網膜症を見落としがちです。本研究では糖尿病腎症と糖尿病網膜症は並行して進行することを示唆しています。糖尿病と診断された人は、内科と同時に眼科を受診すべきであり、とくに腎機能が落ちた人は早急に眼科医を受診することを強くおすすめします」としている。

 あなたは大丈夫?

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    名球会入り条件「200勝投手」は絶滅危機…巨人・田中将大でもプロ19年で四苦八苦

  2. 2

    永野芽郁に貼られた「悪女」のレッテル…共演者キラー超えて、今後は“共演NG”続出不可避

  3. 3

    落合監督は投手起用に一切ノータッチ。全面的に任せられたオレはやりがいと緊張感があった

  4. 4

    07年日本S、落合監督とオレが完全試合継続中の山井を八回で降板させた本当の理由(上)

  5. 5

    巨人キャベッジが“舐めプ”から一転…阿部監督ブチギレで襟を正した本当の理由

  1. 6

    今思えばあの時から…落合博満さんが“秘密主義”になったワケ

  2. 7

    巨人・田中将大が好投しても勝てないワケ…“天敵”がズバリ指摘「全然悪くない。ただ…」

  3. 8

    高市早苗氏が必死のイメチェン!「裏金議員隠し」と「ほんわかメーク」で打倒進次郎氏にメラメラ

  4. 9

    世界陸上「前髪あり」今田美桜にファンがうなる 「中森明菜の若かりし頃を彷彿」の相似性

  5. 10

    三角関係報道で蘇った坂口健太郎の"超マメ男"ぶり 永野芽郁を虜…高畑充希の誕生日に手渡した大きな花束