認知症予防に運動は有効なのか? 気を付けるべきポイント

公開日: 更新日:

 認知症予防には「運動」が有効だと耳にしたことはありませんか? 1960年代から認知症に関する研究を行っている久山町研究によると、運動習慣がない人に比べて週1回以上の運動を行っている人は、アルツハイマー型認知症の発症リスクが40%低いと報告されています。

 アルツハイマー型認知症は脳の海馬の萎縮により発症します。運動すると血流量が増加して、アセチルコリンと呼ばれる神経伝達物質を活性化させるほか、アセチルコリンは脳由来神経栄養因子(BDNF)というタンパク質の分泌量を増やすことが明らかになっています。これはもともと海馬に多く含まれていて、脳の神経細胞を成長させる役割があるので、海馬の機能を維持してアルツハイマー型認知症の発症を防げるのではないかと考えられています。

 私が実際に訪問診療で伺っている患者さんは、最初の診療時には筋力の低下でベッドから起き上がれない状態でした。ベッドから立ち上がる運動から始め、立ち上がれるようになったら立った状態で壁に両手を付けて腕立て伏せを1回につき10回、1日3クールを3年間続けたところ、今では1人でコンビニに歩いて買い物に行けるまで回復し、90代になった現在でも認知機能を維持しています。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    大谷翔平の三振激減がドジャース打者陣の意識も変える…史上初ワールドシリーズ連覇の好材料に

  2. 2

    国民民主党から問題議員が続出する根源…かつての維新をしのぐ“不祥事のデパート”に

  3. 3

    党勢拡大の参政党「スタッフ募集」に高い壁…供給源のはずの自民落選議員秘書も「やりたくない」と避けるワケ

  4. 4

    「ロケ中、お尻ナデナデは当たり前」…「アメトーーク!」の過去回で明かされたセクハラの現場

  5. 5

    注目の投手3人…健大高崎158km石垣、山梨学院194cm菰田陽生、沖縄尚学・末吉良丞の“ガチ評価”は?

  1. 6

    夏の甲子園V候補はなぜ早々と散ったのか...1年通じた過密日程 識者は「春季大会廃止」に言及

  2. 7

    コカ・コーラ自販機事業に立ちはだかる前途多難…巨額減損処理で赤字転落

  3. 8

    巨人・坂本勇人に迫る「引退」の足音…“外様”の田中将大は起死回生、来季へ延命か

  4. 9

    高市早苗氏の“戦意”を打ち砕く…多くの国民からの「石破辞めるな」と自民党内にそびえる「3つの壁」

  5. 10

    「U18代表に選ぶべきか、否か」…甲子園大会の裏で最後までモメた“あの投手”の処遇