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中川恵一東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授

1960年生まれ。東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授。すべてのがんの診断と治療に精通するエキスパート。がん対策推進協議会委員も務めるほか、子供向けのがん教育にも力を入れる。「がんのひみつ」「切らずに治すがん治療」など著書多数。

高嶺ふぶきさんは舞台復帰へ…甲状腺がん「低リスク」以下は経過観察が中心

公開日: 更新日:

 甲状腺がんで表舞台から退いた女優の高嶺ふぶきさん(57)が、10月に大阪で舞台復帰すると発表されました。元々、バセドー病を患っていて、その検査で2020年3月に甲状腺がんが判明し、リンパ節とともに甲状腺を全摘。その影響で声帯がダメージを受け、思うような声が出なくなることから、引退を決意したといいます。

 リハビリとレッスンを重ねて病を克服。3年半ぶりの舞台復帰は、何よりです。

 この甲状腺がんは女性に多く、タイプによって対応が分かれます。パートナーが苦しむかもしれませんから、男性も知っておいて損はないでしょう。

 まずは、高嶺さんが患った甲状腺乳頭がんについて。このタイプは甲状腺がんの90%を占め、中心は30代女性です。重要なのは、病理検査で分かる悪性度で、「超低リスク」「低リスク」「中リスク」「高リスク」に分かれます。

「超低リスク」は進行が遅く生命を危ぶむ恐れが少ないため、ガイドラインでも治療しない経過観察が推奨されます。「低リスク」は甲状腺半分の切除ですが、私が若い方からセカンドオピニオンを求められたら、「超低リスク」同様に経過観察を勧めることは少なくありません。

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