著者のコラム一覧
名郷直樹「武蔵国分寺公園クリニック」名誉院長

「武蔵国分寺公園クリニック」名誉院長、自治医大卒。東大薬学部非常勤講師、臨床研究適正評価教育機構理事。著書に「健康第一は間違っている」(筑摩選書)、「いずれくる死にそなえない」(生活の医療社)ほか多数。

「情報の当てはまり」について改めて考える…動物とヒトとの距離は遠い

公開日: 更新日:

「情報そのものの正しさ」と「当てはまりの正しさ」を区別して考える。そのことについて引き続き考えていきたい。

 以前、試験管内の実験や動物実験による病態生理、メカニズムは仮説に過ぎないということを強調した。それも、情報そのものの正しさと当てはまりの正しさとして考えるとわかりやすい。いくら実験が正しく行われ、妥当な結果を得たとしても、つまり情報そのものとして正しいとしても、それがヒトにどう当てはまるかは別の問題なのである。さらに、試験管や動物の実験と現実のヒトとの距離はかなり遠く、当てはまると考えるのは基本的に困難ということだ。

 医学に関わるニュースのかなりの部分が試験管や動物実験のデータであったりするのだが、それらのニュースは実は現実の医療に関して、その時点で何の関係もないものがほとんどである。そのニュースで取り上げられた実験によって、その時点での医療が変わるということはない。もちろん10年後にはその実験がもとになって有効な薬が生み出されるかもしれないが、それは今のことではなく、未来の話に過ぎない。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    《もう一度警察に行くしかないのか》若林志穂さん怒り収まらず長渕剛に宣戦布告も識者は“時間の壁”を指摘

  2. 2

    ビートたけし「俺なんか悪いことばっかりしたけど…」 松本人志&中居正広に語っていた自身の“引き際”

  3. 3

    フジテレビに「女優を預けられない」大手プロが出演拒否…中居正広の女性トラブルで“蜜月関係”終わりの動き

  4. 4

    元フジテレビ長谷川豊アナが“おすぎ上納”告白で実名…佐々木恭子アナは災難か自業自得か

  5. 5

    "家族総出"で話題の長渕剛「桜島ライブ」延期と引退報道…ファンからは《あの問題説明して》と懇願

  1. 6

    KAT-TUN亀梨和也に田中みな実と結婚報道…それでも「退所の必要なし」! 既婚アイドルは珍しくない時代に

  2. 7

    大谷翔平の28年ロス五輪出場が困難な「3つの理由」 選手会専務理事と直接会談も“武器”にならず

  3. 8

    生島ヒロシ降板騒動は起こるべくして起きた!コンプラ違反が当たり前…大物司会者のヤバイ言動の数々

  4. 9

    生島ヒロシが“一発アウト”なら「パーソナリティー一斉退場」の声も…“不適切画像”送信降板とTBSラジオの現状

  5. 10

    フジテレビ騒動で蒸し返される…“早期退職アナ”佐藤里佳さん苦言《役員の好みで採用》が話題