下肢にしびれや痛み…脊柱管狭窄症の最新治療「FEL」は手術後3時間で歩ける

公開日: 更新日:

「FELでは、皮膚に小さな穴を開け、そこから内視鏡や手術器具を挿入し、モニターで確認しながら、狭窄の原因になっている黄色靱帯などを取り除きます」(古閑院長=以下同)

 脊柱管狭窄症の内視鏡手術には、狭くなった脊柱管を広げる「MEL」という方法もある。これも低侵襲ではあるものの、傷の大きさは18~20ミリで、入院期間は4~6日。FELはそれらを下回る。

「FELの方がMELより内視鏡の外径が2分の1ほど小さい。筋肉や骨、関節などの正常組織を傷めずに手術を行え、背骨についている筋肉を剥がすことが最小なので、脊柱の安定性を損ないません。さらにFELの手術器具は水を出しつつ吸い込むという水の環流ができるようになっており、組織が酸素に触れず瘢痕化が生じにくい。術後の癒着も起こりにくい」

 2020年、FELと、従来の内視鏡下手術であるMELとの治療成績を比較した論文を古閑医師は発表している。痛みの程度や術後満足度は2つの治療法で有意差は認められなかったが、術後3カ月後の満足度はFELが7.5、MELが6.9だった(0から10までの11段階の評価で、10が最高の満足度)。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    高画質は必要ない? 民放各社が撤退検討と報じられた「BS4K」はなぜ失敗したのですか?

  2. 2

    気温50度の灼熱キャンプなのに「寒い」…中村武志さんは「死ぬかもしれん」と言った 

  3. 3

    広陵暴力問題の闇…名門大学の推薦取り消し相次ぎ、中井監督の母校・大商大が「落ち穂拾い」

  4. 4

    巨人阿部監督はたった1年で崖っぷち…阪神と藤川監督にクビを飛ばされる3人の監督

  5. 5

    (4)指揮官が密かに温める虎戦士「クビ切りリスト」…井上広大ら中堅どころ3人、ベテラン2人が対象か

  1. 6

    U18日本代表がパナマ撃破で決勝進出!やっぱり横浜高はスゴかった

  2. 7

    日本ハム・レイエスはどれだけ打っても「メジャー復帰絶望」のワケ

  3. 8

    志村けんさん急逝から5年で豪邸やロールス・ロイスを次々処分も…フジテレビ問題でも際立つ偉大さ

  4. 9

    佐々木朗希いったい何様? ロッテ球団スタッフ3人引き抜きメジャー帯同の波紋

  5. 10

    (2)事実上の「全権監督」として年上コーチを捻じ伏せた…セVでも今オフコーチ陣の首筋は寒い