著者のコラム一覧
中川恵一東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授

1960年生まれ。東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授。すべてのがんの診断と治療に精通するエキスパート。がん対策推進協議会委員も務めるほか、子供向けのがん教育にも力を入れる。「がんのひみつ」「切らずに治すがん治療」など著書多数。

キャサリン妃の告知が話題…親のがんを子供に伝えるときの注意点

公開日: 更新日:

 英王室のキャサリン妃は今年3月、がんであることを公表。ビデオメッセージでは、「ジョージとシャーロットとルイに適切な方法ですべてを説明し、私は大丈夫だと安心させることに時間がかかりました」と3人の子供に自らのがんをきちんと告知したことを語っています。子供をもつ親ががんになったとき、子供にどう伝えるか。

 日本では、毎年100万人ほどの新規がん患者がいて、そのうち3人に1人が64歳以下。18歳以下の子供がいてがんと診断される人は年間5万6000人と推計されています。

 たとえば女優の古村比呂さんに子宮頚がんが見つかったとき、3人の子供は20~15歳。これくらいなら、家族のことも世間のことも理解できる年齢ですから、丁寧に説明することが大切でしょう。

 伝え方には、「3つのC」が重要といわれます。1つはがんの英単語であるCancerで、病気であることを正確に伝え、子供の想像や妄想で過度な不安を感じないようにすること。2つ目はCatchy(伝染)で、子供が親のそばにいてもうつらないことを伝えます。3つ目はCaused(原因)で、子供のせいでも親自身のせいでもなく、だれのせいでもないということです。

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