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中川恵一東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授

1960年生まれ。東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授。すべてのがんの診断と治療に精通するエキスパート。がん対策推進協議会委員も務めるほか、子供向けのがん教育にも力を入れる。「がんのひみつ」「切らずに治すがん治療」など著書多数。

キャサリン妃の告知が話題…親のがんを子供に伝えるときの注意点

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 この3つの視点で子供の年齢に合わせて分かりやすい言葉で説明するのがコツです。膀胱がんを患った私の経験でも、子供を含めて家族や仕事の関係者には、がんのことを伝える方がプラスになります。特に患者本人には、かなり気持ちが楽です。

「子供につらいことを伝えるのはどうか」とためらいの気持ちもあるかもしれませんが、重要な情報を提供されない子供は疎外感を覚えることが少なくありません。ある女性は、自分のがんを小学生の子供に隠していたことが発覚したとき、子供は「僕だけ仲間外れか……」と怒り、疎外感を強めたそうです。

 私はまた、小学校や中学校でがん教育を行ってきた経験からも、中学生はもちろん、小学生でもがんのことを十分理解できると思います。その伝え方は、おとぎ話的なたとえではなく、ストレートにそのまま説明するのがベターでしょう。

 子供も理解すれば、家族の絆が深まり、前向きに闘病生活を送ることができます。職場も同様で隠すことなく病状を説明することが大切です。そうすれば、職場の理解も得られ、仕事と治療の両立がしやすくなります。重要な情報ほど共有するのがプラスです。

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