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下山祐人あけぼの診療所院長

2004年、東京医大医学部卒業。17年に在宅医療をメインとするクリニック「あけぼの診療所」開業。新宿を拠点に16キロ圏内を中心に訪問診療を行う。

「広い海で舟に乗っているよう」と妻に言い残し92歳男性は旅立った

公開日: 更新日:

「朝までお食事も召し上がられていたと伺いました。ご年齢を考えても、これまでよく頑張られたのではないかと思います」(私)

「はい。看護師さんから、最後に『広い海で舟に乗っているよう』だとお父さんが言っていたと聞きました。お世話になりました。ありがとうございました」(妻)

 在宅医療とはいえ我々が往診する先は、患者さんのご自宅ばかりとは限りません。サービス付き高齢者住宅や、住宅型老人ホームといった、ある程度入居される方の私生活の独自性が担保され、医療サービスなどをご自分で選ぶことができる施設などにも往診することもよくあります。

「ここ(施設)でお看取りされるほうが、一緒にいられる時間は長くなると思います。奥さまのご希望に沿えたらと思いますがいかがでしょうか」(私)

「ここで診ていただけるのであれば、それが一番です」(妻)

「お看取りご契約をしていただけたらと思います」(施設スタッフ)

「輸血も中止でいいですか?」(私)

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