著者のコラム一覧
堀田秀吾明治大学教授、言語学者

1968年生まれ。言語学や法学に加え、社会心理学、脳科学の分野にも明るく、多角的な研究を展開。著書に「図解ストレス解消大全」(SBクリエイティブ)など。

部下を成長させたければ結果ではなくプロセスを具体的に褒めよ

公開日: 更新日:

 つまり、褒めるときは具体的に褒める。否定語を使わない。結果ではなくプロセスを褒める。こうしたアクションが欠かせないというわけです。称賛によってモチベーションを高める効果のことをエンハウジング効果といいます。褒められると自信がつき、さらなる成長や努力につながる。このような心理的効果があることは科学的にも実証されているんですね。

 発達心理学者のエリザベス・B・ハーロックが1925年に行った賞罰実験があります。これは、子どもたちを3つのグループに分け、算数の試験を数回受けさせるというものでした。

 ①試験のたびに褒められ続けるグループ②試験のたびに叱られ続けるグループ③何も言われないグループという具合に分けたところ、褒められ続けた①のグループは徐々にやる気が向上し成績が上がりました。半面、叱られ続けた②のグループは、最初こそ叱られないように努力したものの、その後も叱られ続けるとやる気が低下していったといいます。このように「褒める」「叱る」という行為は人間のやる気をダイレクトに左右する行為であると分かります。

 一方で、褒める際に気を付けなければいけないこともあります。それは、外発的動機づけ(報酬や褒美など)を与えること。「自分の意思で行動している」という自己決定感を失わさせてしまいます。趣味で絵を描いていた人に、報酬を与えて描かせると、描く楽しさが減少してしまうように、褒める行為と外発的動機づけを一緒くたにしてはいけません。本人の意思でやる気が増幅するように褒める。これこそが大切なのです。

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