尿路上皮がん治療最前線…全生存期間がグッと延びている

公開日: 更新日:

「併用ではなく維持として用いることで全生存期間がグッと延びた。昨年のASCO(米国臨床腫瘍学会=世界最大のがん学会)では、維持治療の追加解析として、GC療法開始時点を起点として30カ月近くの全生存期間を得たことを示す研究結果が発表され、参加者から喝采をもって受け止められました」

 さらに登場したのが、1次治療として、抗体薬物複合体(ADC)と免疫チェックポイント阻害薬を併用する方法だ。ADCは抗体に抗がん剤などの薬を付加した薬で、免疫チェックポイント阻害剤に並ぶ次世代のがん治療薬として国内外で研究開発が積極的に行われている。

「臨床試験でGC療法を基盤とした従来の治療と比べ、有意に無増悪生存期間と全生存期間を改善。31カ月間の全生存期間中央値が得られ、今年3月に世界的権威のある医学誌『ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシン』で発表されています」

 この臨床研究で用いられたADC(一般名:エンホルツマブ ベドチン)は、進行尿路上皮がん1次治療への適応追加に関して承認申請中だ。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    横浜とのFA交渉で引っ掛かった森祇晶監督の冷淡 落合博満さんは非通知着信で「探り」を入れてきた

  2. 2

    複雑なコードとリズムを世に広めた編曲 松任谷正隆の偉業

  3. 3

    中学受験で慶応普通部に進んだ石坂浩二も圧倒された「幼稚舎」組の生意気さ 大学時代に石井ふく子の目にとまる

  4. 4

    ドジャース内野手ベッツのWBC不参加は大谷翔平、佐々木朗希、山本由伸のレギュラーシーズンに追い風

  5. 5

    「年賀状じまい」宣言は失礼になる? SNS《正月早々、気分が悪い》の心理と伝え方の正解

  1. 6

    国宝級イケメンの松村北斗は転校した堀越高校から亜細亜大に進学 仕事と学業の両立をしっかり

  2. 7

    放送100年特集ドラマ「火星の女王」(NHK)はNetflixの向こうを貼るとんでもないSFドラマ

  3. 8

    維新のちょろまかし「国保逃れ」疑惑が早くも炎上急拡大! 地方議会でも糾弾や追及の動き

  4. 9

    出家否定も 新木優子「幸福の科学」カミングアウトの波紋

  5. 10

    【京都府立鴨沂高校】という沢田研二の出身校の歩き方