著者のコラム一覧
中川恵一東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授

1960年生まれ。東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授。すべてのがんの診断と治療に精通するエキスパート。がん対策推進協議会委員も務めるほか、子供向けのがん教育にも力を入れる。「がんのひみつ」「切らずに治すがん治療」など著書多数。

梅宮アンナさんが告白…特殊な乳がん発見に役立つセルフチェック

公開日: 更新日:

 5月にシャワーを浴びているときに右の乳房が「1カップくらい小さくなっていた」ことに気づいて受診。エコーやマンモグラフィー、MRI、CTでも異常が見つからず、先月上旬に組織検査の結果で診断されたそうです。

 東洋人を含む日本人女性はマンモグラフィーでチェックしにくいことがあります。こうしたタイプや進行が速いタイプをなるべく早く見つけるには、月1回程度のセルフチェックが必要です。梅宮さんのケースでも、乳房がこれだけ縮小するまでにセルフチェックをしていれば何らかの変化を実感できたでしょう。ですから、男性読者の皆さんはパートナーにセルフチェックを勧めてほしいと思います。

 気になるのは、治療やその効果でしょう。まれなタイプで一方に多発したり、同時に両方に発生したりすることはあるものの、遺伝子タイプの分析によってホルモン療法が効きやすいなどの特徴を持つケースが多く、乳管由来の乳がんと比べて予後は良い傾向です。

 注意したいのは、転移や再発でしょう。乳管由来の乳がんは骨転移が最も多いのですが、浸潤性小葉がんでは消化管や卵巣、子宮など特殊なところに転移することが少なくありません。一般にがん治療は5年で区切りをつけますが、このタイプは診断から10年以上経って再発することもあり、長期的なフォローも重要です。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    今オフ日本史上最多5人がメジャー挑戦!阪神才木は“藤川監督が後押し”、西武Wエースにヤクルト村上、巨人岡本まで

  2. 2

    ヤクルト村上宗隆の「メジャー契約金」は何億円?

  3. 3

    ドジャース佐々木朗希もようやく危機感…ロッテ時代の逃げ癖、図々しさは通用しないと身に染みた?

  4. 4

    ロッテ佐々木朗希は母親と一緒に「米国に行かせろ」の一点張り…繰り広げられる泥沼交渉劇

  5. 5

    吉沢亮「国宝」150億円突破も手放しで喜べない…堺雅人“半沢直樹ブーム”と似て非なるギャラ高騰の行方

  1. 6

    「SIAM SHADE」DAITAがメンバー4人を提訴報道…人気バンドを巡る金銭問題と、「GLAY」は別格のワケ

  2. 7

    日本ハム最年長レジェンド宮西尚生も“完オチ”…ますます破壊力増す「新庄のDM」

  3. 8

    陰で糸引く「黒幕」に佐々木朗希が壊される…育成段階でのメジャー挑戦が招く破滅的結末

  4. 9

    ドジャース佐々木朗希にリリーバーとしての“重大欠陥”…大谷とは真逆の「自己チューぶり」が焦点に

  5. 10

    《あの方のこと?》ラルクhydeの「太っていくロックアーティストになりたくない」発言が物議