(3)9カ月ぶりに会った母は記憶とはまったく違っていた

公開日: 更新日:

「だったらお母さんに何か食べさせておいてよ!」と言う私に、父は近所のコンビニで買ってきたコッペパンを見せた。これを置いておいたけど、食べないんだよ、と。

 誰が食欲のないときに、飲み物もなしに味のないコッペパンを食べるというのだろう。父親の、生活感のない発想と行動に私は心底絶望した。

 さらに、母は風呂にも入っていないようだった。いつ着替えをしたのかもわからず、手足の爪は伸び放題。丈夫だった足は棒きれのように細くなり、かろうじて椅子に座っているものの、立ち上がることも歩くこともほとんどできなかった。

 これが、父親が電話で言っていた「僕の目から見ると何も変化がなくて、今まで通り元気だから何も問題はない」という母なのだろうか。

 あまりの変わりように衝撃を受ける私に、体を小刻みにブルブルとふるわせながら、母はささやくように小さな声で私に目も合わせずに言った。

あのね、私はコロナにかかってしまったから黒い服を着た人たちが家を取り囲んで監視されているのよ」

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    出家否定も 新木優子「幸福の科学」カミングアウトの波紋

  2. 2

    新木優子と結婚した中島裕翔は大正解! 吉田羊との“合鍵愛”報道から10年目…

  3. 3

    二軍で塩漬け、移籍も厳しい…阪神・梅野隆太郎に残された“代打の神様”への道

  4. 4

    ドジャース佐々木朗希またも“自己中発言”で捕手批判? 露呈した「人間性の問題」は制球難より深刻

  5. 5

    連続出塁記録に黄信号…ドジャース大谷翔平の本拠地6連戦が“鬼門”になるワケ

  1. 6

    阪神・藤川監督に「裸の王様」の懸念 選手&スタッフを驚愕させた「コーチいびり」

  2. 7

    中島裕翔に新木優子と熱愛報道 ファンから囁かれるHey! Say! JUMP脱退の背景と“問題児”の過去

  3. 8

    広瀬すず 映画賞受賞ラッシュでも残された大仕事「大河ドラマ出演」への“唯一のネック”

  4. 9

    完全復活を遂げた吉田羊と"7連泊愛"中島裕翔の明暗…恋路を阻んだ"大物"による8年前の追放劇

  5. 10

    トランプ大統領に「認知能力低下」説が急浮上 タガが外れた暴言連発で“身内”MAGA派からも正気を疑う声